研究課題/領域番号 |
20K08493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
及川 雅啓 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30457775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍循環器 / 乳がん / 心不全 / 神経栄養因子 / 心筋梗塞 / 心臓-腫瘍連関 / 脳心腫瘍連関 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は心不全とがん進行との関連を、交感神経リモデリング、 神経体液性因子への介入により明らかにすることである。 1 担がん心不全モデルマウスを作成し、心不全状態ががん進行に与える影響を示す。 2 心不全による交感神経リモデリングは、がん組織神経細胞にも及ぶことを示し、神経細胞特異的AAVベクターを用いた心臓・がん組織の交感神経除神経にて心不全改善、がん抑制が得られるか検討する。 3 がん患者に対する臨床観察研究を行い、神経栄養因子や神経体液性因子ががん患者の予後に与える影響を検討する。 本研究の成果は、心不全とがんという超高齢化社会の2大疾病に対する交感神経を標的とし た治療戦略を構築する礎となる
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研究成果の概要 |
心筋梗塞心不全モデルマウスに対して乳がん細胞である4T1細胞を接種することで、心不全と癌進行のメカニズムの解析をおこなった。心筋梗塞作成2週後に4T1細胞を接種したマウスにおいては、shamマウスと比較して乳がん組織量の増大結果が得られた。心機梗塞マウスの血中NGF濃度が増加が認められたため、4T1細胞にNGF刺激をおこなったところ、腫瘍細胞増加が認められた。NGFの受容体であるTRKAをsiRNAも用いて発現低下させたところ、4T1細胞増加の抑制が得られた。これらにより、心筋梗塞により増加したNGFが乳がん進行を促進していると結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は心筋梗塞により増加したNGFががん進行促進をもたらすことを示した初めての研究となる。心不全患者にがん発生が多いことは疫学研究から明らかとなっているが、その原因は不明であった。本研究はそのメカニズムの一つを示した研究である。また、NGFの受容体であるTRKAに対するTRKA阻害薬ががん細胞増殖抑制に有用であったことから、同阻害薬の使用が、がんに対する新たな治療アプローチにつながる可能性があり、今後の発展が期待される。
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