研究課題/領域番号 |
20K08496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
井上 晃男 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (20168454)
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研究分担者 |
串田 良祐 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10707003)
相馬 良一 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20868054)
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
正和 泰斗 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70870195)
豊田 茂 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80332998)
井上 健一 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 急性心筋炎 / Muse細胞 / Muse細胞機能 / 心筋炎動物モデル / 再生医療 / 病態解明 / 新規治療法確立 |
研究開始時の研究の概要 |
再生医療の細胞源MSCの分画中にはMuse細胞が存在する。Muse細胞には組織修復・再生能以外にも抗炎症効果、抗アポトーシス効果、組織保護効果など多面的効果があることから、急性心筋炎に対して有効であると仮説をたてた。本研究では劇症型急性心筋炎患者における内因性Muse細胞の動員とその機能を評価し、次いで心筋炎モデル動物にMuse細胞を静脈内投与した際の病巣への集積、心機能の改善効果を検討する。本研究の結果で急性心筋炎に対する有効性、およびその機序が明らかとなれば、Muse細胞治療が劇症化予防のための画期的治療法となり得る。
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研究実績の概要 |
基礎的研究:マウス心筋炎モデルを用いてMuse細胞の治療効果を検証するにあたり、外部施設においてコクサッキーB3ウイルス接種による心筋炎モデルを作成することができた。今後はMuse細胞を投与し、心機能の改善効果の検討を施行する予定である。 臨床研究:劇症型急性心筋炎症例を対象に、経時的に末梢血を採取し遠心分離により単核球分画を分離しMuse細胞数を経時的に測定を行っている。Muse細胞はフローサイトメトリーを用いてSSEA-3陽性細胞として検出し同時にS1Pの動態観察を行っている。これまでに8例の劇症型心筋炎患者から検討を行った。また剖検例1例のMuse細胞の局在につき検討を行ったところ、血管周囲や心外膜・心内膜側にMuse細胞の集積が認められた。この症例ではMuse細胞数は5日目にピークを迎えていた。更に急性心筋炎では急性期に心筋生検を右室中隔から施行するが、剖検時に比べはるかに多いMuse細胞の集積が観察され、急性期炎症時により強くMuse細胞が集積することを初めて明らかにした。これまでに当院で施行した急性心筋炎生検標本17例分を同様に検討した。コントロールとして心筋生検を施行したが 病理学的な変化を認めなかった症例のMuse細胞を検討したところ、Muse細胞の集積はわずかであり統計学的に有意な差を認めた。さらにMuse細胞の単位面積当たりの数で比較したところ、急性期にメカニカルサポートを必要とした急性心筋炎症例でMuse細胞の数が多かった。病理所見との対比では重篤な炎症細胞浸潤がMuse細胞の数が多い傾向にあった。現在これらのデータ分析が終了し論文作成し、現在投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心筋炎動物モデルの作成に時間を要したこと。また新型コロナウイルス感染拡大により、マスクや手指消毒が徹底されインフルエンザをはじめとしたウイルス感染症が以前に比べ激減しており、それに伴い急性心筋炎患者数も極端に減少しているため。
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今後の研究の推進方策 |
基礎的研究において、マウス心筋炎モデルを用いてMuse細胞の治療効果を検証する予定である。 また現在投稿している論文をアクセプトされるようにしていく。
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