研究課題/領域番号 |
20K08499
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 敦 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00625626)
|
研究分担者 |
志賀 剛 東京女子医科大学, 医学部, 客員教授 (00277211)
佐藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (20246482)
菊池 規子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30747324)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 心臓突然死 / 心不全 / メタボローム / 心電図 / 心室頻拍 / 心室細動 / 植込み型除細動器 / 心筋症 / 心室遅延電位 / メタボロミクス / 炎症 / 高分解能心電図 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓突然死は心不全死と並んで心疾患患者の主要な死因であり、その発生を未然に防ぐためのリスク因子評価法の確立は生命予後の改善に極めて重要である。心臓突然死リスク因子の一つとされている左室駆出率(EF)低下のみではリスク精度には限界があることを報告してきた。本研究では、高分解能心電計(DREAM-ECG)を用いた心電図指標により心不全患者の不整脈基質を検出し、炎症・T細胞サブセット・網羅的メタボローム探索結果と対比して、新規の心臓突然死リスク評価方法を開発する。さらに、致死性不整脈の発生要因解明とともに、突然死リスクのより正確な層別化が可能となることを目的としている。
|
研究成果の概要 |
左室駆出率(EF)低下は主な突然死リスクとされ、植込み型除細動器(ICD)は心臓突然死予防に有効とされているが、EF低下のみでICD適応の判断をすることには限界がある。ICD植込み術を施行した非虚血性心不全患者において、心室遅延電位の異常は致死性不整脈発現と有意に関連していた。また、狭いQRS幅はEF改善と有意に関連していた。さらに、メタボローム解析の結果、心室不整脈または突然死を来した患者は、エネルギー代謝に関わる分子が減少していた。心電学的指標とメタボローム解析を組み合わせたリスク評価が突然死リスクに有用である可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタボローム解析の進歩により、脂質代謝、解糖系、ミトコンドリアの代謝産物の変化が明らかになりつつある。心不全患者における炎症性サイトカインやメタボロームの解析により、心不全の代謝・炎症変化が明らかとなり、代謝・炎症リモデリングを標的とした診断・治療の開発が期待される。我々は、心不全患者の心電学的指標と代謝分子の変化を解析し、心電学的異常に結びつくマーカーを見出だした。心不全患者における非侵襲的な不整脈リスクの検出が可能になることでより早期からの適確な突然死リスク評価の確立が期待される。
|