研究課題/領域番号 |
20K08507
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
上田 仁 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (00794249)
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研究分担者 |
大郷 剛 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (80617077)
中岡 良和 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (90393214)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 高安動脈炎 / 肺高血圧症 / 大型血管炎 / IL-6阻害薬 / 腸内細菌 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
大型血管炎と肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、原因不明の機序で血管のリモデリングを来たす疾患であるが、近年炎症性サイトカインのIL-6とヘルパーT細胞の1サブセットであるTh17細胞が病態形成に深く関わる可能性が報告されている。Th17細胞は消化管の粘膜固有層に恒常的に存在し、腸管免疫と関連すると考えられる。「腸内細菌叢と宿主の腸管相互作用は、炎症性血管病におけるTh17細胞の動態と炎症病態に影響するのではないか」という仮説に基づき、肺動脈炎に伴う肺高血圧症を対象としてIL-6受容体抗体製剤治療の前後で、炎症性サイトカインや腸内細菌叢の変化を確認して、病態メカニズムを解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
大型血管炎(高安動脈炎と巨細胞性動脈炎)は大動脈とその主要分枝血管に原因不明の機序で狭窄、閉塞及び拡張などを来す疾患であり、肺動脈性肺高血圧症 (PAH)は肺動脈の細小動脈、小動脈領域に原因不明の機序で狭窄・閉塞を生じることで肺血管床が失われる疾患である。 近年、病変が肺動脈を主体とする肺動脈炎が存在し、肺動脈の狭窄やPAHに類似した肺血管のリモデリングにより肺高血圧症(PH)を引き起こし予後不良であることが報告されているが、その発症メカニ ズムは不明である。 大型血管炎とPAHにおいて炎症性サイトカインのIL-6とヘルパーT細胞の1サブセットであるTh17細胞が病態形成に深く関わる可能性が報告されている。Th17細胞 は消化管の粘膜固有層に恒常的に存在し、腸管免疫と関連すると考えられる。「腸内細菌叢と宿主の腸管相互作用は、炎症性血管病におけるTh17細胞の動態と炎 症病態に影響するのではないか」という仮説に基づき、肺動脈炎に伴う肺高血圧症を対象としてIL-6受容体抗体製剤治療の前後で、炎症性サイトカインや腸内細 菌叢の変化を確認して、病態メカニズムを解明することを目的としている。 2020年度に過去5年間の高安動脈炎による肺動脈炎に伴う肺高血圧症患者(23例)の臨床dataを後ろ向きに解析を行った。その結果は、2021年3月の第85 回日本循環器学会学術集会で発表し、現在論文作成中である。 現在、前向きに症例登録を行っている。登録症例に関しては、サイトカインや腸内細菌の解析も同時並行で行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象となる疾患が希少疾患であり、患者数が極めて少ないことが前提にあるが、COVID-19感染症の影響により新規紹介患者数が減少していることから、想定よりは登録症例数の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究内容について、さらに患者数を増やしていくことが重要である。また治療前後での炎症性サイトカインや腸内細菌叢の変化を確認することで、病態メ カニズムを解明していく方針である。
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