研究課題/領域番号 |
20K08514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 (2023) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
中橋 理佳 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80391887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 経鼻ワクチン / 粘膜免疫応答 / カチオン化ナノゲル / 慢性閉塞性肺疾患 / ドラッグデリバリーシステム |
研究開始時の研究の概要 |
無莢膜インフルエンザ菌(NTHi)や肺炎球菌は、慢性閉塞性肺疾患の増悪を左右する呼吸器感染症を引き起こす原因菌であり、これにはワクチン接種による予防が最も効果的な手段であるにもかかわらず、①NTHiに対しては現行のワクチン自体が存在せず、②肺炎球菌に対する現行のワクチンはカバーできる血清型に限りがあり万能ではない。そこで本研究は、両感染症を標的としたハイブリッド抗原を作製しワクチンデリバリーシステムであるカチオン化ナノゲルと組み合わせて、COPDモデルマウスでの免疫応答や感染実験により、ワクチン有効性の評価を実施する。
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研究成果の概要 |
COPDは喫煙による肺の炎症性疾患で、呼吸器感染症による急性増悪が問題となっている。この急性増悪に対して感染予防ワクチンが有効な手段と考えられるが、未だ万能なワクチンがない。本研究では、COPD疾患の増悪を左右するインフルエンザ菌および肺炎球菌を標的としたハイブリッド抗原を作製し、デリバリーシステムであるカチオン化ナノゲルと組み合わせた経鼻ワクチン開発を目指した。経鼻免疫したCOPDモデルマウスは、未免疫に比し、肺感染後のインフルエンザ菌数を減少させ、肺における炎症性細胞の浸潤を抑制した。すなわち、本経鼻ワクチンが、COPD患者における呼吸器感染症による重症化を予防可能なワクチンと示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
COPDは、タバコの煙などを含む有害物質を長期にわたり吸入暴露することで生じる肺の炎症性疾患で、WHOによる2019年統計では、世界における死亡原因の第3位であり、年々増加傾向にある重大な疾患である。なかでも、呼吸器感染症が急性増悪を引き起こし病態や予後に大きく影響することが大きな問題となっており、本研究で目指す呼吸器感染症の予防ワクチンの創出は、この問題を大きく解決すると考えられ、社会的に意義深い。
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