研究課題/領域番号 |
20K08516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
竹内 伸司 金沢大学, 附属病院, 講師 (90565384)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ALK融合遺伝子 / 肺がん / アポトーシス / STAT3 / ALK肺がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ALK融合遺伝子陽生肺がんにおける次世代型ALKチロシンキナーゼ阻害薬(ALK-TKI)に対するアポトーシス抵抗性因子を解析し、次世代型ALK-TKI投与下でも、がん細胞が生存するメカニズムを明らかにする。さらに、アポトーシス抵抗性を克服し得る阻害薬と次世代型ALK-TKIとの併用効果をin vitro及びin vivoで検証し、マウスにおける忍容性を確認し、ALK肺がんの治癒を目指した併用治療を臨床試験へ導出できるデータを得ることを目標とする。
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研究実績の概要 |
ALK肺がん株を用いて、747遺伝子を標的としたCRISPR-Cas9ライブラリーで網羅的に解析した結果、ALK-TKIであるalectinib投与時のALK肺がん細胞の生存が、STAT3に依存的であることを見出した。ALK肺がん株であるH3122、H2228、A925Lにおいて、ALK-TKIとSTAT3阻害薬の併用により、細胞死が有意に強く誘導され、この併用効果は、STAT3により発現が制御されるBCL-XLの発現低下に依存的であることを初めて明らかにした。さらに、A925L細胞のマウス皮下移植モデルにおいて、alectinibと新規STAT3阻害薬であるYHO-1701の併用治療は、alectinib単剤治療と比較して治療中止後の腫瘍再増大を有意に抑制し、in vivoにおいても細胞死を強く誘導することを明らかにした。さらに、ALK-TKI投与時の生存機構について、上流からIL-6R/JAK、FGFR、METなど複数のシグナルによりSTAT3が活性化され、アポトーシス抵抗性に作用するBCL-XLの転写が促進されることを見出した。この結果から、薬剤抵抗性生存機構の上流シグナルは多様であることが示唆され、下流で制御されているSTAT3を標的にすることでより高い有効性が得られる可能性が示唆された。 最終年度には他のドライバー遺伝子異常陽性肺がんにおけるSTAT3によるアポトーシス抵抗性機構について探索的検討を行った。
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