研究課題/領域番号 |
20K08526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
鈴川 真穂 帝京大学, 医学部, 助手 (20453699)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | IgA / レセプター / ANXA2 / サイトカイン / 気管支平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 気道上皮細胞 / 肺線維芽細胞 / 呼吸器 |
研究開始時の研究の概要 |
IgAは生体内において1日当たり最も大量に産生される免疫グロブリンであり、粘膜で重要な生体防御機構を形成していると考えられている。本研究はIgAの呼吸器疾患に対する病原性作用とその機序を明らかにし、IgAをターゲットとした治療介入の可能性を探求することを目的とする。本研究では呼吸器疾患モデルマウスを用いてIgAの生体内の作用を明らかにし、遺伝子改変マウスを用いて、その責任細胞、責任分子までも明らかにする。これまでIgAは生体防御に欠かせない保護的分子として捉えられているが、本研究でIgAの病原性作用とその作用機序を明らかにできれば、新規の病態解明につながり、将来的には新規治療法につながる。
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研究成果の概要 |
本研究はIgAの呼吸器疾患に対する病原性作用を明らかにすることを目的とした。 喘息、IPFモデルマウスにおいて気管支肺胞洗浄液中IgAは上昇した。また、外因性IgAにより、総細胞数およびサイトカインが上昇した。IgAは気道平滑筋細胞および血管内皮細胞からのサイトカイン産生を増強することを見出し、英文学術誌へ公表した。また、気道上皮細胞株と免疫沈降を用いた研究から、新規のIgAレセプターANXA2を同定し、ANXA2がIgAによる気道上皮細胞からのサイトカイン産生増強作用に一部寄与していることを見出し、英文学術誌へ公表した。本研究からIgAが呼吸器疾患に対して病原性作用を示す可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を含め、当研究室ではこれまでにIgAが呼吸器構成細胞を活性化することを系統的に明らかにしてきた。これまでIgAの生体保護的な役割には注目されてきたが、病原性役割について明らかにした本研究データの蓄積は世界的にも見当たらず、独自のものである。さらに今回IgAに対する気道上皮細胞上の新たなレセプターを同定し得た。本研究成果から、IgAおよびANXA2が呼吸器疾患の新規治療標的となる可能性が想起され、意義深い研究になったと考えている。
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