研究課題/領域番号 |
20K08533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
砂長 則明 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70400778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、CTNNB1変異非小細胞肺癌細胞においてWnt経路活性化により正制御される遺伝子としてLGR6を同定し、LGR6が肺癌の腫瘍増殖に関わることや、LGR6高発現がEGFR変異陰性肺腺癌の予後不良因子であることを見出し、マイクロアレイ解析によりLGR6関連遺伝子群を同定した。本研究では、LGR6関連遺伝子群について、肺癌細胞株や手術検体を用いた発現解析、機能解析、抗癌薬感受性に与える影響、腫瘍微小環境関連分子との相関、予後解析を行い、肺癌におけるWnt経路活性化によるLGR6発現誘導の分子制御機構を解明し、新たな予後予測バイオマーカーや治療標的候補分子の探索、新規治療法開発をめざす。
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研究成果の概要 |
CTNNB1変異陽性非小細胞肺癌細胞株HCC15及びA427においてLGR6ノックダウンの有無による発現変動をmRNAシークエンス解析し、LGR6関連遺伝子とパスウェイを同定した。これらの遺伝子には腫瘍促進や癌幹細胞化との関連が示唆されるものが含まれていた。スフェロイド形成細胞と接着細胞の二相性増殖を示すA427においてLGR6はスフェロイドで高発現しており、スフェロイド細胞と接着細胞の発現プロファイルを比較するmRNAシークエンス解析で同定された遺伝子群には癌幹細胞化との関与が報告されているものも複数含まれていた。「特発性肺線維症シグナル伝達経路」が共通したLGR6関連パスウェイであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌ではEGFR遺伝子変異をはじめとする様々なドライバー遺伝子変異の発見や分子標的治療薬が開発されている。一方で、Wnt経路活性化を呈する肺癌に対する治療法やバイオマーカーの開発はすすんでいない。本研究において、Wnt経路活性化により誘導されるLGR6発現が肺癌の増殖能を亢進し、LGR6高発現が肺癌の予後不良マーカーであることを見出した上で、LGR6が様々な遺伝子発現や「特発性肺線維症シグナル伝達経路」をはじめとする経路を制御することで腫瘍の促進や癌幹細胞化に関与している可能性が示唆された。本研究成果が肺癌の新規治療法や予後予測バイオマーカーの開発への礎になると考えられる。
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