研究課題/領域番号 |
20K08536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
茂呂 寛 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40509452)
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研究分担者 |
高田 俊範 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (40361919)
番場 祐基 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00908931)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺MAC症 / CXCL-10 / IP-10 / IP10 / 非結核性抗酸菌 / 肺非結核性抗酸菌症 / CXCL10 |
研究開始時の研究の概要 |
肺MAC 症は近年増加傾向にあるが、疑い例において喀痰検体が得られず、診断基準に沿った確定診断に至らない場面が多く経験される。また、確実な効果を期待できる治療法が確立されていないことから、長期にわたる管理が必要とされるが、病勢を評価する客観的な指標を欠いたまま、その後の治療方針が各々の主治医の判断に任されている実情がある。 これに対し、 ① MAC特異抗原刺激によるCXCL10遊離試験は肺MAC症の診断に有用である。 ② 血中CXCL10濃度は肺MAC症の重症度を反映し、治療効果判定、治療開始と終了の判断に有用なバイオマーカーである …という仮説を立て、基礎と臨床の両面から研究計画を立案した。
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研究実績の概要 |
肺MAC (M.avium complex) 症は近年増加傾向にあるが、疑い例において喀痰検体が得られず、診断基準に沿った確定診断に至らない場面が多く経験される。また、確実な効果を期待できる治療法が確立されていないことから、長期にわたる管理が必要とされるが、病勢を評価する客観的な指標を欠いたまま、その後の治療方針が各々の主治医の判断に任されている実情がある。肺MAC症の宿主における液性因子を網羅的に解析した結果、炎症性ケモカインCXCL10(C-X-C motif chemokine 10)が肺MAC症の病態に深く関与し、その動態が病態を反映している可能性が示された。 本研究の目的は肺MAC症の診療における課題の克服であり、具体的には以下の2点である。① MAC特異抗原刺激によるCXCL10遊離試験~喀痰検査に依存しない肺MAC症の補助的診断法の確立、② CXCL10の血中濃度に基づいた重症度評価と、予後予測、治療開始と終了の判断、治療効果の判定への応用。これらの目的が達成されれば、肺MAC症の診療における長年にわたる問題点が解消され、実臨床におけるより適切な肺MAC症の管理と、患者の負担軽減に結びつく成果が期待できる。 こうした背景のもと、臨床検体を用いた研究計画を立案した。肺MAC症の予後不良因子 [Hayashi M, 2012] を念頭に、ベースラインの身体所見(身長、体重、BMI)、呼吸器症状(MRCスケール)、呼吸状態(酸素飽和度/酸素分圧)、喀痰所見(排菌の量)を調査した。また、添加する抗原について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
① MAC特異抗原刺激によるCXCL10遊離試験は肺MAC症の診断に有用である、 ② 血中CXCL10濃度は肺MAC症の重症度を反映し、治療効果判定、治療開始と終了の判断に有用なバイオマーカーである …という仮説に基づき、臨床検体の収集を進めている。 新潟大学医歯学総合病院(新潟市, 827床)に通院中で肺MAC症と診断が確定した20歳以上の成人例の中から、電子カルテの情報に基づき、臨床背景として年齢、性別、併存疾患、肺MAC症に対する治療歴、使用薬、画像所見について調査し、対象となる症例を抽出した。
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今後の研究の推進方策 |
研究の推進方策には大きな変更は無く、対象症例の拡充が課題となっている。 当初の予定どおり対象症例から採取の検体をMAC特異抗原で刺激した後に、単球より遊離されるCXCL10をELISA法で測定し、病態との関連性を検討していく
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