研究課題/領域番号 |
20K08540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
黄瀬 大輔 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50572418)
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研究分担者 |
中野 恭幸 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00362377)
小川 恵美子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00378671)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 腸内細菌 / COPD / 腸内細菌叢 / 運動耐容能 / 体重減少 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では運動耐容能が低下している。これには、骨格筋組織への酸素・栄養素の供給障害により、骨格筋ATP産生低下することが関与する。 腸内細菌叢は食物繊維などを嫌気的分解し短鎖脂肪酸を産生するが、その産生量は腸内細菌叢の構成によって異なる。近年、この短鎖脂肪酸が骨格筋運動の持続に重要であることがわかってきた。 本研究では「腸内細菌叢の特定の構成による短鎖脂肪酸の産生量低下がCOPD患者の運動耐容能低下に関連する」との仮説を立て、目的1. COPD患者の腸内細菌叢と血清短鎖脂肪酸濃度との関連、目的2. 腸内細菌叢とCOPD患者の運動耐容能との関連、を検討する。
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研究実績の概要 |
慢性閉塞肺疾患(COPD)では、痩せがしばしば認められる。痩せのある患者では、入院頻度が増加し、予後が不良であることが知られている。一般的に、痩せはエネルギー吸収量と比べて消費量が多いことにより起こる。COPD患者では一日の総消費カロリーは健常者と比較して低い一方、食欲は低下していないとされる。また、COPD患者では肺機能が低下することで、ある一定の活動に対してエネルギー消費が増加しているとされる。 これまで、COPD患者の体重減少について、経年的な検討があまり行われていなかった。そこで、我々はCOPD患者において、体重減少、筋肉量減少がどのような要因によって予測できるかを検討した。その結果、肺機能検査における、ピークフローや一秒量の対予測値が低下していると、その後の体重減少が大きいことが分かった。本検討について、第62回日本呼吸器学会学術講演会において発表を行った。その検討内容について現在論文投稿中である。 COPD患者の痩せの一因として、食物摂取後の消化・吸収の段階で障害されており、エネルギー吸収量が低下している可能性もある。ある種の腸管細菌は、食物繊維を短鎖脂肪酸に分解する。食物繊維は腸管から吸収できないが、短鎖脂肪酸は腸管から吸収できる。このため、腸内細菌叢の変化が体重の増減に関与すると考えられている。我々は、COPD患者における腸管細菌叢の変化が吸収できる栄養素の量、質を変化させるとの仮説を立てた。この結果、COPD患者の体重減少、筋肉量に影響を与えている可能性がある。 我々は前年度までに引き続き、COPD患者における腸内細菌叢と栄養状態についての関連の検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19流行により、予定していたCOPD患者における運動耐容能測定は行っていない。 このため、これまでに収集したCT画像、血液サンプルを用いて、別の視点から体重、筋肉量減少についての検討を進めている。 上述のように我々はCOPD患者において、体重減少、筋肉量減少がどのような要因によって予測できるかを検討するため、CT画像において、筋肉量、脂肪量を測定した。その結果、肺機能検査における気流制限が重症であると、その後の筋肉量減少の程度が大きいことが分かった。 腸内細菌叢については評価が完了しており、現在COPD患者の血清マーカーの測定も完了した。また、CT画像を用いて、筋肉量、脂肪量を測定も施行した。現在、腸内細菌叢と体重、筋肉量、脂肪量、血清マーカーとの関連を検討し、論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
上述のようにCOVID-19流行により、予定していた測定が進められないため、研究推進方策の修正を行い、これまでに収集したCT画像、血液サンプルを用いて、別の視点から体重減少についての検討を進めている。 COPD患者における体重減少、筋肉量減少について影響を与える因子の検討がこれまで十分に行われていなかった。このため、我々がこれまでに集積したCT画像や肺機能検査の結果を用いて、経年的な体重の変化、筋肉量の変化に影響を与える因子についての検討を追加することとした。上述のように、一部の結果についてはすでに学会での報告を行った。 腸内細菌叢、血清、CT画像を用いたデータ収集は完了している。現在、腸内細菌叢と体重、筋肉量、脂肪量、血清マーカーとの関連をについて検討し、論文を作成中である。
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