研究課題/領域番号 |
20K08541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大下 慎一郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (50508132)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / 間質性肺炎 / 急性増悪 / 急性呼吸不全 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症(IPF)は,肺の間質を中心として様々な程度の炎症・線維化が不可逆性に進行し,呼吸不全に至る難治性疾患群である.有効な治療法は十分に確立しておらず,平均生存期間が3~5年と極めて予後不良である上に,急速に進行して数日~数週間で死亡に至ること(急性増悪)もある.このため,IPFおよび急性増悪の病態解明と新規治療法開発は,喫緊の課題と言える. 本研究の目的は,増殖分化因子15(GDF-15)に着目し,①IPF病態形成におけるGDF-15の機能を解明,②GDF-15阻害によって肺線維化を抑制することを明らかにし,IPFの新規治療標的分子としての有用性を示すことである.
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研究実績の概要 |
特発性肺線維症(IPF)は,有効な治療法が十分に確立しておらず,平均生存期間は3~5年と極めて予後不良な呼吸器疾患である. 本研究の目的は,特発性肺線維症(IPF)におけるマイクロアレイ解析結果から,増殖分化因子15(growth differentiation factor-15: GDF-15)に着目し,①IPF病態形成におけるGDF-15の機能を解明すること,②GDF-15を阻害することによって肺線維化を抑制しうることを明らかにし,IPFの新規治療標的分子としての有用性を示すことである. 昨年に続き2022年度は以下の研究について取り組んだ.1) GDF-15が線維芽細胞の増殖促進・アポトーシス抑制に関与していることを検証する.2) マウス・ブレオマイシンモデル(肺線維症モデル)を用いて,血液・気管支肺胞洗浄液・肺組織中のGDF-15濃度が発現亢進することを検証する.3) 抗GDF-15抗体が線維芽細胞増殖抑制をすることを検証する. 1)では,GDF-15存在下で培養した線維芽細胞が,増殖促進・アポトーシス抑制を来すことを確認した.2)では,マウスモデルの気管支肺胞洗浄液中のGDF-15濃度が,経時的に増加することを確認した.さらに,GDF-15が,肺胞マクロファージに高発現していることを,病理学的に確認した.3)では,抗GDF-15抗体が線維芽細胞増殖抑制を示すことを確認した.現在,GDF-15の産生源が肺胞マクロファージである可能性について検証しているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト,細胞,マウス研究とも,概ね計画どおりに進行中である. 現在,肺胞マクロファージとGDF-15の関連性について,さらなる解析を進めているところである.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,GDF-15の産生源が肺胞マクロファージである可能性について検証を進める.肺胞マクロファージからのGDF-15分泌抑制が,IPFに対して治療効果があることを証明する予定である.
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