研究課題/領域番号 |
20K08551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
皆川 俊介 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70468685)
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研究分担者 |
荒屋 潤 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90468679)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フェロトーシス / COPD / 脂質酸化 / 慢性閉塞性肺疾患 / 細胞死 / 脂質ラジカル / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
活性酸素により起こる脂質酸化反応はCOPD病態形成へ関与する可能性がある。脂質代謝産物は、数百種類にも及ぶため、脂質酸化反応を抑制するためには、原因酸化物を網羅的に解析し特定するか、あるいは最上流での酸化反応抑止が求められる。近年、脂質酸化の最も上流に当たる極微量の脂質ラジカル検出プローブが開発された。またこのプローブを用いて、脂質ラジカルを特異的に抑制する数種の薬剤がスクリーニングされた。そこで本研究は”脂質酸化物の網羅的構造解析”および”ドラックリポジショニングを利用した脂質ラジカル治療薬の同定”を主とした、脂質酸化をターゲットとしたCOPD創薬基盤研究を目的とするものである。
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研究成果の概要 |
COPDの病態形成に関与するフェロトーシスの抑制剤はまだ開発されていない。我々は、既存薬から22種類の脂質ラジカル阻害化合物をスクリーニングし、それらがフェロトーシス抑制に効果があるかを調査した。結果、化合物AとBが顕著なフェロトーシス抑制効果を示した。また、これら2つの化合物は脂質酸化の阻害にも効果的であった。これらの結果から、化合物AとBはフェロトーシス抑制効果を通じてCOPDの新規治療薬としての可能性を持つことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでCOPD病態において酸化ストレスが関与していることは、多くのコンセンサスが得られていたものの、ADLを改善させ、閉塞性障害の経年低下を抑制するような抗酸化治療は未だない。本研究では、脂質ラジカルをターゲットとしたCOPD創薬を目的としているが、この治療法は脂質酸化、ひいては酸化ストレス反応を極めて低濃度で抑制することができる全く新しい抗酸化治療になる可能性がある。新規脂質ラジカルの測定技術を用いてスクリーニングされた脂質ラジカル抑制剤は、我々が世界で初めてCOPD治療応用について検討することになる。また薬剤を吸入治療へとさらに改良することで、より低濃度で効率的な治療になると考えている。
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