研究課題/領域番号 |
20K08552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
宮永 晃彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00591281)
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研究分担者 |
清家 正博 日本医科大学, 医学部, 教授 (30366687)
野呂 林太郎 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50366738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺癌 / microbiome / 遺伝子解析 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌叢をはじめとするマイクロバイオームは、がん免疫療法に対する奏効や耐性のメカニズムの調節において重要な役割を果たしている。 本研究では、肺癌患者において16SリボソームRNA遺伝子解析により下気道のマイクロバイオームを検証し、肺癌と関連性のある細菌叢の存在を明らかにする。それらの肺マイクロバイオームの微小環境下での役割や免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の治療効果との関連性を詳細に研究し、肺癌の発癌や転移に関わるメカニズムを探索する。
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研究成果の概要 |
非小細胞肺癌における肺・気管支のmicrobiomeの意義を日本人の肺癌検体で検証し、新規診断マーカーへの応用を目指す。非小細胞肺癌手術検体50例の腫瘍・非腫瘍部組織において、次世代シーケンサーによる16sリボソームRNA遺伝子解析を行い、候補遺伝子を同定した。気道における特異的microbiomeとしてAcidovorax属に着目し,デジタルPCR法を用いて検証した。Acidovorax属は腫瘍組織に特に認められ、さらにCOPD合併非扁平上皮癌やTP53遺伝子変異陽性の腫瘍組織で有意であることを見出した(p<0.05)。Acidovorax属がCOPD合併肺癌に関与している可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌は、近年分子標的薬やICIの登場により治療方法の進歩が著しいが、更なる治療成績の向上のためには、発癌機序の解明、早期診断が非常に重要である。そのため早期診断および治療標的となるバイオマーカーが求められている。これまで本邦では肺癌と肺microbiomeの関連性を検討した報告はなく、日本人肺癌コホートで、これらのmicrobiomeが発癌や癌の進展に関与しているかを検証することは、極めて重要である。肺microbiomeの発癌の機序の解明および制御により、発癌、癌の進展を抑制可能となれば、肺癌撲滅に寄与でき、社会的に高く求められている重要な研究課題と考える。
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