研究課題/領域番号 |
20K08553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
寺崎 泰弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50332870)
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研究分担者 |
寺崎 美佳 日本医科大学, 医学部, 講師 (50372785)
遠田 悦子 日本医科大学, 医学部, 助教 (00589327)
康 徳東 昭和大学, 医学部, 講師 (00571952)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リンパ球増殖性肺病変 / IgG4 関連疾患 / 多中心性キャッスルマン病 / IgG4 陽性間質性肺炎(症候群) / IgG4関連病変 / MCD / 肺の線維化、のう胞化、結晶化 / 局所リンパ球のプロファイリング / IgG4関連病 |
研究開始時の研究の概要 |
著明なリンパ球形質浸潤が特徴の肺病変には細胞内、外の結晶化、幼若な線維化、硝子化線維化、嚢胞化の病変が目立つ症例など、全くベクトルが違う病態がある。リンパ球浸潤の付随所見は多彩で浸潤程度だけでは予後予測もできない。 リンパ球浸潤所見は共通でも線維化タイプやのう胞化などベクトルが大きく違う病変があり肺局所のリンパ球形質細胞の性質自体に大きな違いがある可能性がある。今回IgG4とMCD、リウマチ肺の肺病変などからのリンパ球自身をサンプリングし網羅的解析を行い病態関連因子を抽出しバイオマーカーとして開発応用を目指す。多様なリンパ球浸潤性病変と広く肺の線維化、のう胞化の病態解明につながる研究でもある。
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研究実績の概要 |
リンパ球増殖性肺病変の代表のIgG4 関連肺疾患と肺単独病変で高 IgG4 血症、IgG4 陽性細胞浸潤を伴う間質性肺炎とは鑑別に苦慮する為、IgG4 陽性細胞浸潤あるびまん性肺病変症例を29 例を集め解析した。臨床・画像・病理学的な検討( MDD )を行い、多中心性キャッスルマン病など鑑別疾患を除外した16 例を IgG4 陽性間質性肺炎(症候)群と診断した。年齢中央値 66 歳、男性12 例、喫煙者13 例、画像検査・病理学的所見は多彩で閉塞性血管炎所見はなかった。すりガラス影はステロイドに反応性良好だが、網状影・嚢胞性病変は残存・増悪し、急性増悪例、死亡例も一部認めた。IgG4 陽性間質性肺炎群は、 IgG4 関連肺疾患とは異なる対応が必要だった。ERJ OpenRes 2021 。 IgG4 陽性間質性肺炎群を2019 ACR/EULAR IgG4関連疾患 国際基準で検討すると、特異抗体、ステロイド反応性不良にて多くが除外された。 IgG4 関連肺疾患診断基準にもステロイド反応性記載が必要と思われた。ERJ Open Res. 2022 。一方IgG1はIgG4関連疾患でIgG4より病原性高く、IgG4には病原性と保護的な役割があるとされる。特発性間質性肺炎IIPでのIgG1とIgG4の役割は不明の為、クラウドデータベースを使用してIgG1とIgG4陽性細胞の浸潤度とIIPの予後を検討した。MDDでIIPの診断の88人にIgG4陽性細胞浸潤は12人、特に特発性肺線維症(IPF)で8/41人でみられた。IIP例の31/88人、IPF例の19/41人でIgG1陽性細胞浸潤がみられた。IgG4陽性のIIPは予後良い傾向があり、IPFのIgG1陽性細胞浸潤は予後悪化に相関していた。IgG1陽性細胞浸潤程度の評価は、IPFの予後推定に有用と思われた。Sci Rep. 2022
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IgG4やMulticentric Castleman's disease関連の肺病変などについては、過去の病理バーチャルデータなどで臨床病理学的な解析など進めて、追加の論文報告もして研究を継続している。 コロナ禍の影響により、病理未染スライドの新しいサンプルの確保が困難で、病変のスライドからのペプチド解析は予定の症例の解析が進んでいない。 COVID-19の対応により解析実行者の時間確保が難しくなるとともに、解析機械のメンテナンスも滞るなど解析環境に支障が生じ研究進行に遅れが生じている。 その他、有害事象発生はなく、倫理指針を遵守し研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響は、まだ、あるが、IgG4やMulticentric Castleman's disease関連の肺病変などは、病理未染スライドサンプルの確保を進め、届いた症例から、速やかにレーザーマイクロダイセクションでサンプリングを行いLCMS/MS解析を行う。 ラット肺移植モデルは、拒絶反応よりリンパ球が多数集蔟して線維化を来す病変であり、この病理サンプルの確保が出来るため、動物検体についても引き続き検討を進める。 コロナ禍の影響もあり、当施設のLCMS/MS解析機械のメンテナンスや解析が滞る場合は、共同研究者である昭和大学の康 徳東に依頼し、昭和大学のLCMS/MS解析の機械も使って検討を行う。
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