研究課題/領域番号 |
20K08555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
南 俊行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00705113)
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研究分担者 |
木島 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90372614)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ドライバー遺伝子変異・転座陽性肺癌 / 薬剤性間質性肺炎 / Hippoシグナル伝達系 / 腫瘍関連マクロファージ / 薬剤性肺障害 / 癌微小環境 / 肺癌 / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌における内科的治療の成績は近年劇的に向上し、現在「細胞障害性抗癌剤」「ドライバー遺伝子変異を標的とした小分子阻害剤」「免疫チェックポイント阻害薬(ICI)」の3種類の治療薬が使用されている。さらに2019年以降、細胞障害性抗癌剤とICIの併用療法が相次いで承認された。その一方で、これらの薬剤は致死的な薬剤性肺障害を誘発する事がある。分子標的治療薬が、必要とする多くの症例に安全に使用できるようにするには、薬剤性肺障害の制御が不可欠である。本研究では、分子標的治療における肺癌細胞と癌微小環境の相互作用を解明して薬剤性肺炎のリスクを低減させ、小分子阻害剤やICIの安全性を高める事を目指している。
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研究成果の概要 |
肺癌の内科的治療成績は、近年の分子標的治療の進歩により劇的に改善した。その一方で、分子標的治療薬は致死的な薬剤性肺障害を惹起する事も少なくない。申請者らは肺癌細胞と腫瘍関連マクロファージとの相互作用に着目した。ドライバー遺伝子変異陽性肺癌症例に対する小分子阻害剤は奏効率も高く、無数の肺癌細胞をsenescenceに導く事ができるが、その際には大量のSenescence-associated secretory phenotype(SASP)が放出される。これらによるTAMの活性化が「炎症」と「線維化」に関わり、薬剤性肺障害を惹起すると考え、その鍵分子としてYAP/TAZに注目して解析している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドライバー遺伝子変異を標的とした小分子阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場で、肺癌の予後は確実に改善している。その一方で、約5%の症例では小分子阻害剤やICIによる重篤な薬剤性肺障害を発症してしまう。また、もともと間質性肺炎を合併した肺癌症例では、内科的治療が主となる事が多いにも関わらず、やはり急性増悪のリスクから安全に使用できる薬剤が少なく、治療選択肢が極めて限られている。本研究でYAP/TAZの制御により、小分子阻害薬やICIによる薬剤性肺障害のリスクを低減できれば、現行治療がより安全にできるだけでなく、これらの薬剤が不適格とされていた症例にも適応を拡大できる可能性がある。
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