研究課題/領域番号 |
20K08559
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
邵 力 山形大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80344787)
|
研究分担者 |
鈴木 潤 山形大学, 医学部, 助教 (70533925)
張 旭紅 山形大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10292442)
濱田 顕 近畿大学, 大学病院, 助教 (80772954)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | lncRNA / 肺癌 / オルガノイド / スフェロイド / 長鎖非コードRNA / CTOS作製 / 非小細胞肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
分子標的治療における耐性化機構の解明と克服薬の探索は、肺癌治療成績のさらなる改善に連なる課題である。肺癌の発症・進展における長鎖非コードRNA(lncRNA)の果たす役割は明らかにされつつあるが、その成果を臨床応用するための橋渡し研究はまだ少ない。本研究は、我々が世界に先駆けて同定した肺癌抑制遺伝子型lncRNA S180122を着目して、薬剤耐性を獲得した肺腺癌患者由来の癌細胞塊を用いた培養法(cancer tissue originated spheroid、CTOS法)により、lncRNAを標的とした核酸医薬の探索とバイオマーカーへの展開を目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、我々が新規に同定した癌遺伝子型lncRNA S180122に着目して、薬剤耐性を獲得した非小細胞肺癌患者由来の癌細胞塊を用いた培養法により、lncRNAを標的とした核酸医薬の探索を目的とする。 本年度は研究計画の最終年度となる。昨年に引き続き、非小細胞肺癌患者由来の癌細胞塊を用いた培養にあたって、検体数を21例まで増やした。一部の失敗例(3ヶ月以上の培養でオルガノイド形成ができない例)においては、ニッチ因子を調整することでオルガノイドの形成に成功した。以上より、個別的かつ大量のオルガノイド作製・培養が可能となることが示唆された。また、lncRNA阻害剤のオルガノイドへのデリバリー条件を最適化するために、肺癌細胞株RERF-LC-AIのスフェノイド培養を用いて、5種類のトランスフェクション試薬から最も効率のよいLullabyを選定し、lncRNA阻害剤の効果を形態学的に検証した。 一方で、ゲフィチニブに耐性を獲得した肺癌患者からの検体取得困難および耐性株RERF-Gr樹立後の遺伝子変異種類の確認作業により、lncRNA S180122阻害剤が肺癌薬剤耐性に及ぼす影響の検討は計画より遅れた。この研究目的を達成するために、研究期間を1年間延長し、lncRNA阻害剤による薬剤耐性に及ぼす影響を機能的に解析する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
耐性非小細胞肺癌細胞株RERF-Grを樹立したが、その株がゲフィチニブに耐性を獲得した原因と考えられるEGFR遺伝子変異については、変異種類・位置を確認する必要があったため予定外の時間がかかってしまった。そのため、lncRNA阻害剤による肺癌薬剤耐性に及ぼす影響の検討は計画より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
3年間の研究を計画したが、進捗が遅れていることを踏まえて、lncRNA阻害剤による肺癌薬剤耐性に及ぼす影響の検討を実現するために、研究期間を1年間延長し、次の推進方策を策定した。 ①EGFR-TKI耐性を有する肺癌細胞株RERF-Grを用いて、lncRNA S180122阻害剤が肺癌薬剤耐性に及ぼす影響を機能的に検討し、更にその機能的変化に伴う関連遺伝子発現の活性化の機構を解析する。 ②大学病院の腫瘍内科と連携し、調製・培養条件を改良して患者由来の極少量の検体から短期間で増殖できるようなオルガノイド作製に再挑戦する。できる限り、患者由来の薬剤耐性肺癌組織を用いて、lncRNA S180122阻害剤の薬剤耐性克服の可能性を検討する。
|