研究課題/領域番号 |
20K08565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
淀谷 典子 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40525367)
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研究分担者 |
丸山 一男 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (20181828)
西村 有平 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30303720)
澤田 博文 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30362354)
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺高血圧 / トランスクリプトーム / 創薬 / 動物モデル / 炎症 / トランスクリプトーム解析 / 新生内膜形成 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧(PAH)は、予後不良の難治性の疾患であり、近年の治療薬の開発により予後の改善が認められる。しかしこれらの治療で疾患の治癒は得られないため、新たな治療標的が必要である。PAHの閉塞性血管病変では、新生内膜病変で異常増殖する細胞の由来や内膜病変形成に至る分子機序は不明である。本研究では、血管病変の新生内膜病変の有無という点で、特徴の異なる動物モデルを用い、遺伝子発現パターンの違いに着目し、新生内膜をターゲットとした新規治療の開発を目的とする。研究の知見は、PAH患者さんに治癒をもたらす新たな治療法の開発に繋がると考えられる。
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研究成果の概要 |
血管病変の異なるラットPAHモデルの肺におけるトランスクリプトームを比較解析し、標的遺伝子の同定を試みた。解析から、発現の異なる遺伝子(DEG)を選出し、さらに共通して変化するDEGにおいて共発現遺伝子の加重遺伝子ネットワーク解析を実施し、肺高血圧の新生内膜形成に関連する候補標的遺伝子を同定した。解析の結果、細胞接着分子A、炎症関連分子Bを同定した。炎症関連分子B欠損ラットを作成し、その表現型解析を行った。分子Bノックアウトラットでは、モノクロタリン誘発ラットの生存率が低下し、高度の肺血管病変を認めた。分子Bは血管平滑筋の増殖、分化状態維持に重要であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺動脈性肺高血圧(PAH)は、予後不良の難治性の病態であり、近年のプロスタサイクリン系、エンドセリンレセプター拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5型阻害薬などの治療薬の開発により予後の改善が認められるが、これら薬剤の血管病変退縮効果は示されておらず、生涯にわたり治療を継続する必要があり、医療経済的な負担も大きな課題である。PAHの閉塞性血管病変の退縮に至る新たな機序に基づく治療の開発へ繋がる成果であり、将来的に、本疾患を罹患する患者さんへの大きな利益となると考えられる。
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