研究課題/領域番号 |
20K08566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 晶 (松島晶) 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40828943)
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研究分担者 |
オケヨ ケネディオモンディ 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 講師 (10634652)
今井 誠一郎 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90572610)
伊藤 功朗 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40447975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 肺初代上皮細胞 / 肺胞上皮 / 細胞シート / ヒト初代肺胞上皮細胞 / 特発性間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性間質性肺炎の大半を占める特発性肺線維症は治療法が確立しておらず予後不良な疾患であるが、治療薬開発の最大の障害は、適切なin vitro病態モデルが存在しないことである。本研究では、肺の線維化の中心的役割をなすと考えられているSCGB1A1(セクレトグロビン1A1)陽性上皮を再現する培養モデルを用いて、病態形成にかかわるシグナリング機構の解明と治療薬探索を行う。 治療薬の標的としては、増殖した上皮をSCGB1A1ではなくSP-C(サーファクタント蛋白C)を発現する正常な肺胞上皮へと分化誘導すること、また、SCGB1A1陽性上皮が周囲に発する線維化シグナルを抑制することを目標とする。
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研究実績の概要 |
2022年度終盤に引き続き、メッシュ上に作成した上皮シートの固定標本について免疫蛍光染色により構造と分子マーカーの発現確認を行った。シートが単層の上皮であること、また、上皮型カドヘリンおよびオクルディンを発現することが確認でき、肺胞上皮への分化誘導後はproSP-CやAqp5といった肺胞上皮のマーカーを、誘導なしでシートを作成した場合はSCGB1A1といったクラブ細胞のマーカーを発現することを確認した。これらについては、定量的RT-PCR法を用いてmRNAレベルでの発現確認も行った。 引き続き上皮シートのモデルとして重要である経上皮電気抵抗(TEER)の測定など機能面の評価を行った。TEERについては、200~300 Ohm・cm2程度であり、申請者が開発した消化管上皮シート等に相当する値であった。申請者らは本法をブタ肺に適用した場合は1000 Ohm・cm2を超えるTEERを得ており、また既報において肺組織から直接単離した肺胞上皮細胞でシートを作成した場合は同様の値が報告されている。この点に関しては、本申請での細胞培養系において、上皮細胞を未分化増殖の段階から肺胞上皮への分化を誘導する段階へ移行させるにあたり、低分子化合物や増殖因子を組み合わせた肺胞上皮細胞への分化誘導法(開発済み)に加えて、増殖から分化への移行の明確なシグナルが必要であると考察した。 これを踏まえ、このシグナルの候補として各種低分子化合物の小規模スクリーニングや情報伝達因子などの検討を行い、現在効果を評価中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の開始は2020年度であったが、京都大学医学部附属病院におけるCOVID-19対策として診療従事者の研究活動が制限され実験を開始することができなかった。2021年11月にヒト肺初代細胞の単離培養を行う環境が整い、予定よりも19か月遅れて研究に着手した。 この遅れを取り戻すには至っていないが、着手後はほぼ予定に沿って進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
スクリーニングプラットフォームの開発には高スループットのReadoutが必要である。Readoutの手段として第一に経上皮電気抵抗を予定しているが、高いTEERを得ることが困難であれば次善の策として定量的PCRを想定している。今年度前期にプラットフォームを開発し、後期に化合物スクリーニングを行うことを想定している。
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