研究課題/領域番号 |
20K08568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
高田 美也子 鳥取大学, 医学部, 助教 (50523643)
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研究分担者 |
山口 耕介 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60529402)
千酌 浩樹 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (90283994)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | NTM / 腸内細菌叢 / ULBP2 / 非結核性抗酸菌症 / NGS / メタゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、非結核性抗酸菌(NTM)による感染症が本邦だけでなく世界的にも増加傾向にある。非結核性抗酸菌は土壌や河川、海水などの自然界及び浴室等の日常環境に常在する細菌であり、誰でも曝露されうる可能性があるが、発症者の原因を説明する機序は明らかになっていない。本研究では非結核性抗酸菌症を発症された患者さんにおける、腸内細菌叢の変化と宿主のNK細胞機能に与える影響を調べることにより、非結核性抗酸菌症の感受性因子となりうるかを検討する。
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研究実績の概要 |
結核の減少傾向とは逆に非結核性抗酸菌症(NTM)による感染症が増加傾向にある。その中で起炎菌として最も多いのがM. avium complex (MAC),次にM.kansasii,さらにM.abscessusである。これらの細菌は土や河川などの自然界、あるいは浴室などの水回りに生育する環境菌であるため、誰でも吸入曝露する可能性があるが、感受性のある宿主にだけ感染し得ると考えられている。したがってどのような宿主が感受性に関与するか(感受性因子の同定)は本症の診断や治療にとって非常に重要であるが現在のところ明らかな機序は見つかっていない。この感受性因子の第一候補として、宿主免疫機能の低下があげられる。これまでの研究では特に自然免疫を担うNK細胞が、非結核性抗酸菌に対する免疫に重要な役割を担っていることが報告されている。一方で近年、腸内細菌のメタゲノム解析により、腸内細菌叢がNK細胞機能に影響を与えていることが報告されている。これまで筆者らのグループはNK細胞機能を負に制御する液性分子として可溶性ULBP-2に関する研究を行ってきた。そこで本課題では、非結核性抗酸菌症の発症に、宿主のNK細胞機能の低下や、可溶性ULBP2の関与があるかどうかを調べることとした。令和5年度では、NTM患者と健常者における血清中のNK細胞に関連するサイトカイン及び各種炎症性サイトカイン等の産生と、NK細胞機能の調節因子である可溶性ULBP-2との関わりを検討した。今後腸内細菌叢とともに口腔内細菌叢との関連性を検討し、非結核性抗酸菌症の病態解明を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 本研究遂行のために、非結核性抗酸菌症と診断された治療前のNTM患者ならびに、健常者の糞便、うがい液、血清を収集する必要があり、今年度では健常者についての検体を収集した。血清についてはNK細胞機能の評価のために各種サイトカインをフローサイトメーターによるマルチプレックスアッセイを行い、各種免疫に関わるサイトカイン産生量を測定し、さらに、その調節因子である可溶性ULBP-2について高感度なELISAにより測定した。NK細胞機能に関わるサイトカインならびに可溶性ULBP2について、NTM患者と健常者について比較検討し、NTM患者で上昇または低下しているサイトカインの種類を明らかにした。この結果は、NTM症の病態解明につながる可能性がある。 また、今年度新たに採取した健常者の腸内細菌叢および口腔内細菌叢について調べるための準備として、糞便、うがい液について、DNA抽出まで行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、NTM治癒後の患者検体の腸内細菌叢、口腔内細菌叢並びに血清中の各種免疫に関わるサイトカイン産生について、治療前後で比較検討することが望ましいが、研究期間内に治療完了が見込まれない場合は、健常者とNTM罹患時の患者検体において、検討を行う。 次世代シークエンス解析では、α多様性とβ多様性の指標を用い、比較検討を行うとともに、健常者・ならびに患者血清を用いて、NK細胞機能に関わる各種サイトカインや可溶性ULBP2の産生性を比較し、NTMの発症機序の一因を調べていく。
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