研究課題/領域番号 |
20K08577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小熊 剛 東海大学, 医学部, 准教授 (20255441)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アレルギー性気管支肺真菌症 / アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 / アスペルギルス / スエヒロタケ / 気管支喘息 / 真菌 / 光触媒反応 / 難治性気道アレルギー疾患 / 真正担子菌 |
研究開始時の研究の概要 |
真菌は難治性呼吸器感染症の原因となるが、時に全く病態・治療の異なるアレルギー性気管支肺真菌症などの難治性アレルギー疾患も引き起こす。その原因真菌はアスペルギルスの頻度が最も高いが、一方、真正担子菌でいわゆるキノコの一種であるスエヒロタケなども原因となる。 本研究では、実際の疾患の患者喀痰などから培養された真菌を用いて、真菌が難治性アレルギー疾患を引き起こす機序を培養細胞やマウスモデル系を用いて解析する。 さらに市販の1200種以上の薬剤セットのスクリーニングによる新規薬剤の創出(ドラックリポジショニング)、環境真菌の無毒化システムの構築、により新たな治療の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、気道に腐生する真菌がアレルギー性気管支真菌症(ABPM)の発症・増悪に深く関与すると考え、真菌と真菌に直接に接する気道上皮細胞から産生される分子に着目し、新たな分子標的とそれを修飾する薬剤の創薬を目指している。 COVID-19蔓延から研究協力者との緻密な連携が困難となり、臨床真菌株からの抗原抽出物の作成の進行が遅延した。一方、マウスを用いたin vivoの系での検討では成果があった。 アスペルギルス抗原抽出液を3日間マウスに点鼻投与しアレルギー性気道炎症を惹起する系では投与3-7日後に容量依存性に気管支肺胞洗浄液(BALF)での30-60%程度の高度な好酸球増多が確認された。さらにBALF中のサイトカインの検討ではアスペルギルス抗原抽出液投与3日後のBALF中の2型アレルギー関連サイトカイン発現の上昇が蛋白レベルで確認された。その中にはこれまで気道上皮細胞を用いたin vitroの系でアスペルギルス抗原抽出液による刺激でプロテアーゼ依存性の発現が確認されていたIL-α等の気道上皮由来のサイトカインが含まれていた。IL-1αは近年、肺における誘導性気管支関連リンパ組織形成に重要な役割を担うことが報告されている分子であり、昨年までの検討で真菌セリンプロテアーゼ依存性に発現する分子で、EGF受容体を介しての発現が確認されている分子である。現在、臨床分離株を用いた検討でこれらの分子の発現の検討を進めるとともに、これらの分子の発現の抑制に有用な薬剤の検出を目指し、検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19蔓延から研究協力者との緻密な連携が困難となり、臨床真菌株からの抗原抽出物の作成の進行等の計画が遅延した。そのため現在入手可能が材料で進められる検討を先行して行っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討を検出されたIL-1αなどの気道上皮アレルギー関連由来分子を標的に、臨床分離株を用いた検討、これらの分子の発現の抑制に有用な薬剤の検出を目指し、検討を進める。 今後、十分な数の臨床検体からの分離真菌抽出物の確保が困難の際は、真菌抽出物からの気道上皮細胞由来アレルギー分子の発現の真菌種による差の網羅的に検討も合わせて考慮する。
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