研究課題/領域番号 |
20K08581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中沢 大悟 北海道大学, 大学病院, 助教 (60724135)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腎炎 / ANCA関連血管炎 / 好中球 / 血管炎 / ANCA / 糸球体腎炎 / シクロフィリンD / プログラム細胞死 / ネクローシス / NETs |
研究開始時の研究の概要 |
ANCA関連血管炎は,ANCAにより活性化された好中球が細胞障害性のNETsとなり,壊死性血管炎を引き起こす.我々は本疾患とNETsの関連性を報告してきたが,NETsは分子によりプログラムされた細胞死で, 感染症時には免疫防御として機能する一方, 無菌性炎症病態で自己を損傷する負の側面がある. ANCA誘導NETsに関わる分子を解析し, Cyclophilin D(CypD)が重要な分子であることを発見した. CypDはミトコンドリアからシトクロムCを放出し細胞死を誘導するが, 本研究では, 血管炎モデル動物におけるCypDの関与を検証し, 新規治療開発を目指す
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研究成果の概要 |
ANCA関連血管炎は, 病原性自己抗体の産生とともに血管壊死により臓器障害が引き起こされる自己免疫疾患である. 本研究では壊死誘導因子の一種であるシクロフィリンD(CypD)に着目し, CypDの制御が好中球の異常活性化と血管内皮細胞傷害を抑制することを解明した. 2種類のモデルマウスにおいて, CypD遺伝子の除去により臓器障害が改善することを明らかにした. 現在のAAVの治療の主体は強力な免疫抑制治療だが, 免疫抑制による感染症死が多いこと等が問題である. 本研究の結果から, CypDを新たな治療標的とすることで, 免疫抑制を起こさずに, AAVの臓器障害が改善する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗好中球細胞質抗体 (ANCA) 関連血管炎は、外来微生物の侵入を阻止する好中球を異常に活性化する自己抗体であるANCAが何らかの機序で作られます。そのANCAにより活性化された好中球が体中の毛細血管で暴走し、腎臓や肺の毛細血管に壊死を引き起こして急激な腎不全や肺出血をきたす難病の一つです。治療は強力な免疫抑制薬が必要ですが、免疫力を低下させることで感染症による副作用が多いことが課題であり、本研究では免疫を抑制せずに好中球の暴走を阻止する治療の開発を目的としてCyclophilinDという標的を見つけ、治療効果を動物モデルで検証しました。今後は患者さんへの応用が期待されます。
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