研究課題/領域番号 |
20K08583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
波多野 亮 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60521713)
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研究分担者 |
伊藤 素行 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20377906)
三木 隆司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50302568)
Wiriyasermkul Pattama 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80825836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞増殖 / 多発性嚢胞腎 / 細胞老化 |
研究開始時の研究の概要 |
嚢胞性腎疾患は、腎臓に多数の嚢胞が生じその嚢胞形成の進行と共に腎機能が障害され最終的に腎不全を引き起こす重篤な疾患であり、多発性嚢胞腎を主とする様々な症候群からなる。嚢胞性腎疾患の原因としては一次繊毛の機能異常が共通して関わっており、既に様々な責任遺伝子が同定されているがその機能異常と疾患発症の原因は十分に明らかになっておらず、その病態解明と治療法の確立が必要不可欠である。本研究において、腎尿細管機能の調節における細胞老化・細胞周期の制御の役割とその機能の欠損と嚢胞性腎疾患発症の関連性について検討を行う。
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研究成果の概要 |
Zfp277は細胞老化に関わる分子として同定されたが近年新たに細胞増殖が盛んな細胞において発現上昇していることが報告されるなど個々の細胞によって異なる役割を担う可能性が考えられる。腎臓での機能を明らかにするために疾患モデル動物を用いて検討を進め、Zfp277発現は多発性嚢胞腎のような細胞の増殖亢進を伴う病態において誘導されることが明らかになった。また、Zfp277欠損マウスでは膵臓において膵頭の成熟に異常がみられることが判明しており、加齢に伴う糖尿病の発症リスク増加につながる可能性も考えられた。本研究では、Zfp277は生体内において細胞の増殖を伴う過程において重要な役割を担う事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、転写因子の一種であるZfp277が生体内において細胞増殖を伴うような事象において発現が誘導され、組織の成熟や組織傷害に対する代償機構に関与することが明らかになった。生体の機能恒常性維持機能の一部としてZfp277は膵頭の成熟に寄与し成体における糖代謝恒常性の維持に寄与すると考えられ、その機能障害は糖尿病の発症リスクとなりうる。一方で、組織障害時の発現上昇は組織の修復過程で重要な役割を果たす可能性が考えられる。Zfp277の発現上昇は多発性嚢胞腎における細胞増殖にも寄与するものと考えられ、機能を制御することにより疾患の治療にも応用できることが期待される。
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