研究課題/領域番号 |
20K08586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
忰田 亮平 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20737697)
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研究分担者 |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20272817)
細島 康宏 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50464003)
斎藤 亮彦 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (80293207)
寺田 康彦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20400640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | MRI / 23Na MRI / 糖尿病性腎臓病 / ナトリウム / 対向流増幅系 / ネフローゼ症候群 / Nephrotic syndrome / diabetic model mouse / Na / 23Na-MRI |
研究開始時の研究の概要 |
ネフローゼ症候群では、Na+の貯留と浮腫の成因として、underfillingとoverfillingの機序が提唱されているが、腎臓内のNa+の全体像を明らかにする方法は今までなかった。申請者らは、マウスのごく小さな腎臓に対し、23Na-MRI(磁気共鳴映像法)を用いて23Naをもとにした画像化に成功し、水の効率的な再吸収が可能となる対向流増幅系のNa+の濃度勾配・Na+の貯留の状態を可視化した。23Na-MRI画像をもとに、ネフローゼ症候群における「腎臓全体のNa+のハンドリング・Na+の貯留」と「Na+の再吸収に関わるチャネル・トランスポーター」の関係を明らかにし、病態生理の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
マウスのごく小さな腎臓に対して、23Na MRI(磁気共鳴映像法)を用いて23Naをもとにした画像化に成功し、水の効率的な再吸収が可能となる対向流増幅系のNa+の濃度勾配・Na+の貯留の状態を可視化した。 検出コイルを新たに作成し、23Na-MRI画像を既存の 1HプロトンのMRI画像と合致した画像を得た。 ネフローゼモデルマウスでは、髄質のNa+濃度に変化を認めなかったが、糖尿病モデルマウスによる検討では、ごく早期の6週齢での対向流増幅系の変化を見出した。尿中アルブミンの測定とともに、糖尿病性腎臓病での尿細管異常の早期診断の可能性が示唆された。この結果を、Kidney360誌に報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
23Na MRIでは、腎傷害を反映した血中・尿中マーカーと異なり、ナトリウムの代謝機能の変化をみることで、尿中アルブミンの測定とともに、糖尿病性腎臓病での尿細管の異常を早期診断して、治療につなげられる可能性がある。 23Na MRIでは、今までわからなかった腎臓内のナトリウムの代謝変化を明らかにでき、糖尿病性腎臓病にとどまらず、他のナトリウム代謝に関わる脱水や一部の高血圧のより詳細な病態の把握できる可能性がある。また、マウスのごく小さな腎臓の詳細な可視化成功から、対象臓器拡大の可能性も考えられる。これらの知見の積み重ねにより、23Na MRIの臨床応用も期待できる。
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