研究課題/領域番号 |
20K08588
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
金子 佳賢 新潟大学, 医歯学系, 講師 (80444157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | IgA腎症 / 糸球体単離 / RNAseq |
研究開始時の研究の概要 |
IgA腎症は腎糸球体メサンギウム細胞の増殖性変化とメサンギウム領域へのIgA1の沈着を特徴とする、最も頻度の高い原発性糸球体腎炎であり、発症後約20~30年で20%から50%の患者に腎機能低下を認め、末期腎不全に至る主要な原疾患のひとつであるが、IgAが沈着しても腎障害が進行する症例と進行しない症例が存在する。本研究ではIgA腎症の動物モデルを用いてIgA沈着後に生じる糸球体細胞の遺伝子発現解析を行い、糸球体障害の発症、進展に関与する分子を明らかにするとともに、ヒトIgA腎症の腎生検組織を用いて糸球体障害に関与する分子と予後との関係を明らかにし、IgA腎症の予後予測因子を確立する。
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研究成果の概要 |
IgA腎症は腎糸球体メサンギウム領域へのIgA1の沈着を特徴とする糸球体腎炎である。マウスへのB cell activation factor of the TNF family (BAFF) 遺伝子発現ベクターの静注投与による遺伝子導入にて、高IgA血症および腎糸球体メサンギウム領域へのIgAの沈着が誘導され、12カ月後にはメサンギウム細胞増多、メサンギウム基質増加、15カ月後にはメサンギウム融解などの高度の糸球体障害が認められた。単離糸球体から抽出したRNAを用いて発現遺伝子を経時的に比較検討した結果、Baff遺伝子導入後に共通して発現上昇している遺伝子として、遺伝子Xを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IgA腎症は最も頻度の高い原発性糸球体腎炎であり、発症後約20~30年で20%から50%の患者に腎機能低下を認め、末期腎不全に至る主要な原疾患のひとつである。メサンギウム領域にIgA1が沈着する現象は同じでありながら、患者個々により組織学的重症度、臨床学的重症度は大きく異なり、腎予後に大きな差が生じる。経時的、網羅的解析により、糸球体障害進展の鍵となる分子が新たに同定されることにより、ヒト腎生検組織における新たな予後予測因子が確立することが期待される。
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