研究課題/領域番号 |
20K08592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中島 歩 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座教授 (40448262)
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研究分担者 |
正木 崇生 広島大学, 病院(医), 教授 (30397913)
東 幸仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40346490)
河本 健 広島大学, 学術・社会連携室, 特任教授 (50224861)
土井 盛博 広島大学, 病院(医), 助教 (80626127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 時計遺伝子 / DEC1 / アポトーシス / 心筋梗塞 / 生存率 / 炎症細胞浸潤 / p53 / survivin / 低酸素 / P53 / 急性腎障害 / 線維化 / B cell lymphoma-2 |
研究開始時の研究の概要 |
腎虚血再灌流障害および心筋梗塞において、低酸素によって誘導された時計遺伝子DEC1がアポトーシスを促進する機序について、野生型マウスとDEC1ノックアウトマウスを用いて明確にする。さらに、アポトーシスに引き続いて生じる腎線維化や心筋梗塞巣の大きさについて検討を行い、低酸素で誘導されたDEC1によるアポトーシスの促進は、生体にとって不利益であり治療ターゲットになりうるのか、障害を最小限にとどめるための生体の防御機構であるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
DEC1は、光刺激や低酸素によって発現が急激に増加して分子時計の位相をシフトさせる能力を持ち、環境の変化に生体の概日リズムを順応させるユニークな時計遺伝子である。本研究では、DEC1がアポトーシスを抑制する機序と生体内での役割について検討した。 冠動脈左前下行枝を結紮した心筋梗塞後の生存率は、野生型マウスと比較して、DEC1ノックアウトマウスで有意に高かった。DEC1ノックアウトマウスでは、心筋梗塞周囲のアポトーシス領域が拡大していたが、炎症細胞浸潤は減少していた。以上より、低酸素で誘導されたDEC1によるアポトーシスの抑制は、心筋梗塞後の心破裂や心不全を増加させることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、血管平滑筋細胞において低酸素によって誘導されたDEC1がアポトーシスを抑制すること、さらに、心筋梗塞後のDEC1によるアポトーシスの抑制は、炎症細胞浸潤を増加させ、生存率を低下させる可能性があることを明らかにした。本研究は、低酸素によるアポトーシスにおける新しいメカニズムの提供に寄与するとともに、今後、DEC1をターゲットとする創薬に繋がる研究であると考えられる。
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