研究課題/領域番号 |
20K08593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
冨永 辰也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80425446)
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研究分担者 |
安部 秀斉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60399342)
田蒔 昌憲 徳島大学, 病院, 講師 (90528902)
長井 幸二郎 徳島大学, 病院, 講師 (40542048)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腎硬化症 / DKD / BMP4 / ERR / Estrogen / 糖尿病性腎臓病(DKD) / 動脈硬化 / 高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では腎硬化症を含む動脈硬化性腎障害の発症にエストロゲン関連受容体(ERR)とBMP4が関与し、その作用を阻害することが治療に繋がることを証明する。申請者はBMP4が糖尿病性糸球体硬化症を進展させる重要因子である事を証明している。また、血管内皮にBMP4を発現させる事で動脈硬化、腎細動脈障害を引き起こし、腎硬化症に類似する所見を示した。ApoE knockoutマウスの腎細動脈内皮細胞にERRβの発現と血管中膜にBMP4の発現を認めたことから、ERR/BMP4による血管病変形成と腎硬化症発症機序の解明に繋がると期待される。
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研究成果の概要 |
BMP4はポドサイトのアポトーシスを誘導し、同時にメサンギウム基質増生を惹起させる因子であり腎障害を引き起こす。女性が閉経後から動脈硬化が進行しやすくなるように、エストロゲン受容体などの核内受容体と動脈硬化の関連性は強く、大動脈石灰化を誘導するBMP2/4は、核内受容体であるEstrogen Related Receptor (ERR)の調整を受ける。核内受容体に作用するリガンド物質は、腎硬化症を含むDKDの治療薬として期待される。これらの検証報告を元に、腎硬化症を含む動脈硬化性腎障害について、ERRとBMP4の詳細な分子機序を明らかにし、腎症抑制作用を持つ低分子化合物について研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎症の主たる病変であるメサンギウム基質増加がBMP4/Smad1シグナル系によって惹起される。糸球体硬化病変の本態は、メサンギウム基質の増生、ポドサイト喪失、糸球体血管内皮の透過性亢進であり、単独で起こるものではない。各細胞で連鎖的に起こる障害と他細胞へ波及するメカニズムを総合的に分析し、病態を把握することが治療薬開発の土台になる。本研究は、実際の臨床上の未解決な問題に対して、腎硬化症への特異性を追求するため、血圧以外の病態発症メカニズムの検証を行い、腎機能低下に直結する分子の同定と、分子標的治療の開発へと新規分野を開拓するものであり、病態の理解にも、実臨床上も意義が大きい。
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