研究課題/領域番号 |
20K08596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
前嶋 明人 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70431707)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 尿細管再生 / 腎幹細胞 / 急性腎障害 |
研究開始時の研究の概要 |
急性腎障害後の尿細管再生能力は加齢とともに低下し、高齢者では腎機能が回復せず透析導入に至るケースも少なくない。最近我々はその要因として「加齢に伴う腎幹細胞数の減少」を明らかにした。本研究では「腎幹細胞を起点とする尿細管再生システム」を利用した「加齢腎の再生」を試みる。Doxycycline誘導Histone 2B-GFPマウスを用いて、腎幹細胞をGFP標識し、腎幹細胞特異的に発現しているリガンド・受容体を探索する。腎幹細胞活性化因子を同定し、高齢マウスの腎幹細胞を増やすことができるかを検証する。本研究で得られた知見は、高齢者腎不全を減らすための腎再生医療の進歩に大きく貢献するものと思われる。
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研究成果の概要 |
本研究ではDoxycycline誘導Histone 2B-GFPマウスを用いて、腎幹細胞の増殖・分化様式を解析した。分裂速度の非常に遅い腎幹細胞をGFP標識したところ、GFP陽性尿細管細胞の数がDoxycycline投与期間に比例して増加し、一方、追跡期間に反比例して減少することがわかった。以上の結果から、腎障害後に活発に増殖(再生)する尿細管細胞は、正常状態でもゆっくり分裂していることが判明した。このマウスを用いて、腎幹細胞の増殖・分化様式がさらに明らかになれば、「腎幹細胞を起点とする尿細管再生システム」を活用した腎再生医療の実現が可能になると思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は「腎幹細胞を起点とする尿細管再生システム」を利用した「腎再生医療」の確立に大きく貢献するものと思われる。内在する腎幹細胞を活性化し、腎臓が本来有している再生能力を最大限発揮させることにより、腎疾患の原因によらず腎機能が低下した症例に対して、「腎幹細胞を起点とする尿細管再生システム」を基盤とした「腎再生医療」が可能になる。また、加齢により失われた腎幹細胞を増加させて、尿細管再生システムを再び活性化することができれば、高齢者腎不全あるいは透析導入患者数の減少につながることが期待できると思われる。
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