研究課題
基盤研究(C)
常染色体優性遺伝性多発嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease: ADPKD)は、60歳までに約半数が腎不全に至る最も多い遺伝性腎疾患である。ADPKDの根本的治療薬は、現在はバソプレシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタンしかなく、多飲・多尿などの副作用もあることから、新規治療薬の開発が必要である。我々はこれまでに、ADPKDの悪化にアミノ酸が関わっていることを明らかにした。本研究ではADPKD進展にアミノ酸の輸送に関与するLAT1がどの様に関わっているかを明らかにし、新しい治療に結びつける予定である。
本研究は、常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)の進展におけるアミノ酸の関与を解明し、新規治療薬の開発を目指すことを目的とした。アミノ酸トランスポーターであるLAT1とPkd1のダブルノックアウトマウスの解析からは、LAT1を完全にノックアウトすると、アミノ酸枯渇を感知し活性化する経路により嚢胞が悪化してしまったが、薬剤による適度なアミノ酸の抑制では嚢胞進行を抑制するため、アミノ酸吸収を適度に阻害する薬剤を用いることが治療に結びつく事を明らかにした。LAT1阻害薬はADPKDモデルマウスで嚢胞の進行を抑制し、新規治療薬となり、かつトルバプタンとの併用治療はさらに効果が認められた。
ADPKDは遺伝性腎疾患でも最も多く60歳までに約半数が末期腎不全に至る疾患である。治療薬は現在トルバプタンのみであるが、多飲・多尿などの副作用があり、新たな治療薬の開発が急務である。本研究でアミノ酸吸収を阻害することが治療に結びつき、かつトルバプタン併用で治療効果が増強することを明らかにした。この結果から新規治療薬の開発に繋がる可能性がある。
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