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アルギニン代謝とオートファジー~腎臓のミトコンドリア保護機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08610
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

鳥巣 久美子  九州大学, 医学研究院, 准教授 (20448434)

研究分担者 中野 敏昭  九州大学, 医学研究院, 准教授 (10432931)
土本 晃裕  九州大学, 大学病院, 助教 (50572103)
原 雅俊  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (60626092)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード腎臓線維化 / 慢性腎臓病 / アルギニン代謝 / スペルミジン / オートファジー / ポリアミン / 腎線維化 / 近位尿細管 / アルギナーゼ / アルギニン / 活性酸素ストレス / 慢性腎障害
研究開始時の研究の概要

アルギニンとオートファジーは相互に作用し、ミトコンドリアの機能維持に重要な役割を果たす。我々はアルギナーゼ2KOマウスにおいて腎虚血再灌流障害が軽減することを明らかにした。近年、アルギニン代謝が活性化するとオートファジーが低下する経路が複数報告されている。慢性腎障害ではオートファジー活性が低下しているため、「アルギニン代謝とオートファジーのアンバランスにより腎臓のミトコンドリアを中心とした活性酸素ストレスや炎症が生じる」と仮説をたて、アルギニン代謝を抑制しオートファジーを活性化させるモデルマウスや培養条件を作成し、慢性腎障害の改善につながるかを証明する。

研究成果の概要

我々は一側尿管結紮モデルマウス(UUO)の腎臓線維化においてメタボローム解析によりアルギニン代謝が大きく変化し、アルギニン代謝物の中ではスペルミジンが最も増加することを見出した。ヒトの慢性糸球体腎炎では腎臓線維化とスペルミジン量は相関することを示した。ヒト近位尿細管細胞ではスペルミジンによりNrf2が活性化した。酸化ストレスによる線維化シグナルやミトコンドリアの膜電位低下はスペルミジンで抑制された。Arg2 KOマウスはスペルミジンが少なく、UUOによる線維化が野生型より増悪し、Nrf2の活性化も低減していた。スペルミジンを投与するとArg2 KOマウスにおける線維化の増悪も軽快した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

アルギニンの代謝物であるスペルミジンは抗加齢因子として以前から注目されていたが、スペルミジンの加齢変化を抑制する作用機序はわかっていない。腎臓線維化はすべての腎臓病の最終形態であるが、その線維化をスペルミジンにより抑制できることを見出したことは、慢性腎臓病の治療薬の可能性を広げる発見である。スペルミジンは生体内にある代謝物であるため、安全に治療応用ができる。生体内でスペルミジンの量を増やすこと、もしくはスペルミジンの摂取をすることで慢性腎臓病の進行を抑制できる可能性がある。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 その他

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] アルギナーゼ2はスペルミジン産生を介して腎間質線維化を制御する2022

    • 著者名/発表者名
      相原成志、鳥巣久美子、中野敏昭、北園孝成
    • 学会等名
      第65回日本腎臓学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] アルギニン代謝は転写因子Nrf2を制御し腎臓間質線維化を抑制する2022

    • 著者名/発表者名
      鳥巣久美子、相原成志、中野敏昭、北園孝成
    • 学会等名
      第95回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Arginine metabolism regulates the transcription factor Nrf2 and prevents renal interstitial fibrosis through tubular spermidine production2022

    • 著者名/発表者名
      Seishi Aihara, Kumiko Torisu, Toshiaki Nakano, Takanari Kitazono
    • 学会等名
      American Society of Nephrology, Kidney Week 2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] アルギニン代謝とAKI2022

    • 著者名/発表者名
      鳥巣久美子、相原成志、原雅俊、中野敏昭、北園孝成
    • 学会等名
      第65回日本腎臓学会学術総会シンポジウム「新規解析手法とTargetでAKIに挑む」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 腎臓線維化においてアルギニン代謝が亢進しスペルミジンがNrf2を活性化する2022

    • 著者名/発表者名
      鳥巣久美子、相原成志、中野敏昭
    • 学会等名
      第52回西部腎臓学会シンポジウム「線維化、再生」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Arginine metabolism is activated in kidney fibrosis to produce spermidine, which acts in antifibrosis through induction of Nrf22022

    • 著者名/発表者名
      Torisu K, Aihara S, Nakano T
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会ワークショップ「複雑な細胞構成をもつ腎臓を通して全身の病態を考える」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Arginine metabolism regulates the transcription factor Nrf2 and prevents renal interstitial fibrosis.2022

    • 著者名/発表者名
      鳥巣 久美子
    • 学会等名
      日本薬理学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 腎臓研究室

    • URL

      https://www.kcu.med.kyushu-u.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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