研究課題/領域番号 |
20K08625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
橋本 多恵子 山形大学, 医学部, 客員研究員 (30507629)
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研究分担者 |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10451866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 巣状分節性糸球体硬化症 / ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群 / 日本人遺伝的背景 / genetic FSGS / クリニカルシーケンス |
研究開始時の研究の概要 |
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は小児期末期腎不全の原因として重要な疾患であるが、なかでも遺伝子変異が原因となるFSGS(以下genetic FSGS)は、原因遺伝子により治療方針や予後が大きく異なるため、遺伝子診断は実臨床の現場に不可欠である。一方で日本人は欧米人と違う遺伝的背景をもっており、クリニカルシーケンス体制を整えるには日本人データが不足しており、また変異の機能解析が必要なケースも多い。本研究では、小児期発症FSGS患者の解析を継続しさらにデータ蓄積をし、特に日本人特有のバリアントについて積極的に機能解析を追加することで日本人のgenetic FSGSの遺伝的背景を明らかにする。
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研究実績の概要 |
①診断および診療の選択に活用する体制の構築:新規に2023年度は7家系の解析対象患者検体が収集された。全エクソーム解析施行し、解析結果が返却され次第、133の病因候補遺伝子について評価し、結果をエキスパートパネル会議で臨床データや病理写真等も併せて評価し、その病原性について検討を行った。エキスパートパネル会議については、一同に会する会議を施行するためにWeb会議と対面を併用するハイブリッド会議を施行した。一部の参加者においては、検討会資料をメールで一同に送信し、その返事を持って参加ともした。パネル会議の結果、候補遺伝子変異・確認が必要な患者に関しては、家族検体の収集をし、当該遺伝子解析、既報病因変異およびACMGガイドラインでPathogenicとされる変異については、迅速に第一報を主治医に返却することとしていたが、本年度は該当する患者がいなかった。また、臨床症状によっては、巣状分節性糸球体硬化症の原因遺伝子に限定せず、腎不全、腎尿路奇形関連遺伝子、腎尿路奇形関連遺伝子まで範囲を広げて検索もした。なお、遺伝子解析を施行するのみでなく、一次性FSGSについて高値を取る可能性がある抗ネフリン抗体の測定についても、遺伝子解析とともに施行し、遺伝子解析結果報告書にその値を追加した。患者への遺伝学的な情報提供、結果報告も、主治医、担当医のみでなく一部だが臨床遺伝専門医から提供した。 ②日本人特有の病因遺伝子やバリアントに対する遺伝子解析 本年度の対象となった7家系については、解析を施行したものの、明らかな巣状分節性糸球体硬化症の病因遺伝子の候補になるものが検出されなかった。したがって、日本人特有という意味での特徴を示すまでに至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究対象患者自体が少なく、解析の機会もあまり多くなかったため、予定より遅れている。またコロナ禍から離脱しつつあるものの、必要な実験器具(特にフィルター関連)が入手が困難になっており実験推進が困難になっているところもあった。
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今後の研究の推進方策 |
今年も、昨年度と同様に、診断および診療の選択に活用する体制の構築としては、解析対象患者の収集を継続し、全エクソーム解析施行し、結果をエキスパートパネル会議で速やか評価し、既報病因変異およびACMGガイドラインで Pathogenicとされる変異については、迅速に第一報を主治医に返却し、クリニカルシーケンスの基盤づくりを一層進める。また、エキスパートパネル会議の結果、候補遺伝子変異・確認が必要な患者に関しては、家族検体の収集をし、当該遺伝子解析を進める。またVUS(Variant of unknown significance)に関しては、その影響度、重要性を鑑み、優先順位をつけ、機能解析を進める。
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