研究課題/領域番号 |
20K08638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
柿添 豊 熊本大学, 病院, 講師 (70583037)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | セリンプロテアーゼ / セリンプロテアーゼ阻害薬 / 多発性嚢胞腎 / 慢性腎臓病 / 慢性腎不全 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は多発性嚢胞腎(PKD)におけるSPを標的とした新たな治療法開発を目標として、①PKDにおいて腎組織・尿中で活性化するSPの同定、②腎組織中のSP活性化機序の解明、③SPによる腎嚢胞増大機序の解明、④PKDモデル動物におけるSP阻害による腎嚢胞増大・腎機能障害抑制効果の検討、⑤肝嚢胞増大に関与するSPの同定とSP阻害による治療効果の確認、⑥ヒトPKD患者の尿中SP活性の評価とバイオマーカーとしての有用性の検討、の順に行う。
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研究成果の概要 |
本研究は透析導入の原疾患の中で長らく第4位(原因不明を除く)を占めている多発性嚢胞腎(PKD)に対して、蛋白分解酵素の1種であるセリンプロテアーゼを標的とした新規治療法の開発を目的として行った。PKDモデルラットは多数の腎嚢胞形成と腎重量の増大、腎機能低下を認め、腎組織中にある種のセリンプロテアーゼ(SP)の活性化を認めた。このSPの阻害薬は嚢胞の増大と腎機能低下を抑制した。さらにSP阻害薬は有効な治療法がない肝嚢胞の増大も抑制した。現時点で未だ治療法が十分でないPKDに対して、SP阻害薬が新たな治療戦略となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
主要な透析導入の原疾患の中で、多発性嚢胞腎(PKD)は第4位(原因不明を除く)を占める。常染色体優性PKDに対してはトルバプタンにより腎嚢胞の増大と腎機能低下がある程度抑制できるが、多尿(1日4-5L)となることから、生活の質の低下が問題となる。また、時に肝機能障害を認め治療を中断せざるを得ないこともある。本研究によりPKDモデルラットの腎臓である種のセリンプロテアーゼ(SP)が活性化しており、このSPの阻害薬が嚢胞の増大と腎機能低下を抑制することが判明した。さらにSP阻害薬は現時点で治療法がない肝嚢胞の増大も抑制した。SP阻害薬がPKDに対する新たな治療戦略となる可能性が示唆された。
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