研究課題/領域番号 |
20K08643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
木原 正夫 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50512604)
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研究分担者 |
鈴木 仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (10468572)
鈴木 祐介 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70372935)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 樹状細胞 / IgA腎症 / APRIL / TLR9 / plasmacytoid DC / Gd-IgA1 / B細胞 / T細胞 / 粘膜応答異常 |
研究開始時の研究の概要 |
IgA腎症はしばしば上気道炎や腸炎を契機に増悪することから、粘膜免疫異常が深く関与すると想定されているが、発症・進展の鍵となる糖鎖異常IgA1(Gd-IgA1)の産生機序は明らかではない。 外来抗原によるToll like receptor (TLR)の活性化を起因に、粘膜関連リンパ組織において粘膜型IgAの産生に関係する「樹状細胞のサブセット」と「Follicular T細胞」を介したB細胞のクラススイッチが糖鎖異常IgA1を誘導するという仮説のもと、IgA腎症自然発症モデルマウスを用い、胚中心B細胞との共培養の系にて主な粘膜応答部位の同定と糖鎖修飾異常IgA1産生の一連の機序の解明を行う。
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研究実績の概要 |
IgA腎症(IgAN)の発症・進展の鍵となる糖鎖異常IgA(Gd-IgA)の産生機序を解明すべく、樹状細胞(DC)およびそのサブセットに注目し、in vitroでの検証を実施している。これまでの検証によりIgAN自然発症モデルマウス(gddY)由来のDCは、B細胞との共培養によりIgA産生を強く誘導し、そのT細胞非依存的なIgA産生に主に寄与するサブセットがplasmacytoid DC(pDC)である可能性が示唆された。IgANにおいて、粘膜面の抗原感作に起因したToll-like receptor(TLR)9の活性化が、a proliferation-inducing ligand (APRIL)等産生を介してGd-IgA1が産生されることがこれまでの研究でわかっており、特に口蓋扁桃がGd-IgA1の重要な産生部位と考えられている。そこで前期に引き続き口蓋扁桃を用いたin vitroでの検証を行った。 IgANおよび習慣性扁桃炎患者の口蓋扁桃より抽出した単核細胞を6日間培養し、培養上清中のGd-IgA1と、扁桃単核細胞におけるTLR9やAPRILのmRNA発現およびpDCのサブセットの関連性について解析した。 結果、pDCの細胞比率と、その扁桃単核細胞におけるTLR9発現およびGdIgA1/IgA比に相関を認めた。さらに扁桃単核細胞におけるAPRILの発現はTLR9発現およびGdIgA1/IgA比とも相関した。上記結果より、IgA腎症患者の口蓋扁桃で増加したpDCがAPRILを介してGd-IgA1の産生に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で樹状細胞由来のAPRIL等の分子がGd-IgA1産生にどのように寄与するかを直接結び付けるデータを示せてはいないものの、病態の鍵を握るGd-IgA1の産生にplasmacytoid DCが関わることを示唆する結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ddYマウスにCpG oligodeoxynucleotides (CpG-ODN) type Cの鼻腔内投与を行うとIgA腎症が惹起されることがこれまでの研究で分かっている。CpG-ODN type CはB細胞およびpDCに対する活性を有していることから、pDCを枯渇させたddYマウスにCpG-ODN type Cを鼻腔内投与することで、糖鎖異常IgA産生および腎炎の程度に変化があるか否か検証する。
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