研究課題/領域番号 |
20K08656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山口 由衣 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60585264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 単球マクロファージ / 全身性強皮症 / マクロファージ / IRF8 / 血管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性強皮症(SSc)の主要病態は、過剰な臓器線維化・血管障害・自己免疫異常である。SSc病態における単球・マクロファージ(Mq)系細胞の重要視示されているが、その病態形成での制御機構は不明である。インターフェロン制御因子(IRF8)は、単球・Mqへの血球分化に必須の転写因子であり、これまで我々は、SSc病態におけるIRF8の関与に着目してきた。今回、IRF8を介した単球・Mq系細胞の分化・形質異常が、創傷治癒過程やSScの血管障害に影響を与えると考え、主として単球のIRF8発現を調節した創傷治癒モデルマウス・SScマウスを解析することで、SScの創傷治癒異常の病態解明を目指す。
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研究成果の概要 |
SSc病態における単球分化に必須の転写因子IRF8の関与を検討した。SSc由来単球において有意な発現低下を認め、IRF8発現低下単球誘導Mqでは線維化促進型を示した。骨髄球特異的IRF8KOマウスでは皮膚線維化が増強し、単球のIRF8制御異常がSSc病態に関わることが示された。次に創傷治癒とIRF8の関連について検討した。本マウスの創傷治癒モデルでは、創傷治癒が遅延した。遅延部周囲の皮膚における接着および血管新生関連因子発現は有意に上昇し、アンフィレグリンが減少した。また、異常な血管新生が観察された。単球IRF8発現異常が、創傷治癒遅延や血管異常を呈するSSc病態にも関与することが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性強皮症は、血管障害と過剰線維化の双方が主要な病態であり、両者を一元化する病態解明、新規治療開発が重要な課題である。単球マクロファージ系細胞が、強皮症の病態に重要な関与をしていることはこれまでも示唆されており、我々は、その分化制御を行う転写因子に着目した解析を行ってきた。これまでの研究と今回の研究により、線維化と創傷治癒異常・血管異常の双方にIRF8が関与する可能性が示唆されている。強皮症の血管異常におけるIRF8の関与をさらに深く解明することで、新規治療開発に結び付けられる可能性がある。
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