研究課題/領域番号 |
20K08661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小宮根 真弓 自治医科大学, 医学部, 教授 (00282632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 褥瘡 / 虚血再灌流 / IL-33 / 核内因子 / 中和抗体 / 治療 / 虚血再灌流モデル / 表皮細胞 / マクロファージ / マウスモデル / 代謝 / ケラチン / decubitus ulcer / treatment |
研究開始時の研究の概要 |
褥瘡は、寝たきりの高齢者に生じる、難治性の皮膚潰瘍である。潰瘍治療薬として様々な外用剤や被覆材が存在するが、治療は長期間にわたり難治である。予防法としては、体重による圧を集中させないことが必須であるが、いったん圧が加わってしまうと、潰瘍形成するまでの有効な治療法は現在存在しない。IL-33は上皮細胞や血管内皮細胞に存在するタンパクで、細胞が障害されることで細胞外に放出され、炎症を引き起こす。IL-33を持たないIL-33ノックアウトマウスでは褥瘡形成が抑制されていることから、潰瘍形成するまでの褥瘡の初期治療にIL-33を中和することが有用であろうとの仮設のもとに、この研究を行う。
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研究成果の概要 |
IL-33KOマウスにおいて褥瘡形成が抑制されたため、IL-33中和抗体を褥瘡の早期治療に使用できないか検討した。IL-33中和抗体およびIL-33受容体であるST2L中和抗体は、部分的にマウスにおける褥瘡形成を抑制したが完全には抑制しなかった。IL-33はサイトカインとして以外に、核内因子としてケラチン関連タンパク発現を抑制している可能性があり、IL-33KOマウスにおける褥瘡形成抑制は、IL-33不在によるケラチン関連タンパク発現亢進も関与している可能性が考えられた。 褥瘡の早期治療にIL-33中和抗体を用いることで完全に褥瘡形成を阻害することは難しいと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
褥瘡はすでに形成された潰瘍に対する治療は存在するが、圧力を受けたあとの早期段階での治療は存在しない。早期の褥瘡に対する治療薬の開発ができれば、圧負荷後から潰瘍形成に至る期間に潰瘍形成を抑制する治療が可能となり、臨床的に有意義であると考えたが、今回の検討結果からは、サイトカインとしてのIL-33を抑制するのみでは、褥瘡形成の予防は難しいと考えられた。核内のIL-33まで発現抑制するか、あるいはIL-1などの別のターゲットについても検討する必要があると考えている。
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