研究課題/領域番号 |
20K08662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森山 麻里子 近畿大学, 薬学総合研究所, 准教授 (40595295)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Notchシグナル / 表皮 / 乾癬 / 皮膚 / 創傷治癒 / 免疫 / 皮膚免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、以下の3点について研究を行う。 1. 創傷治癒、乾癬発症時のHes1epicKOマウス皮膚へと浸潤する免疫細胞を同定し、その局在を明らかにする。主にフローサイトメトリーでの解析を中心に行い、適宜免疫染色によっても確かめる。 2. 表皮ケラチノサイトの網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を行い、Hes1epicKOにおける創傷治癒遅延、乾癬悪化のメカニズムを分子レベルで明らかにする。 3. Hes1表皮特異的ノックアウトマウス由来表皮ケラチノサイトをイミキモドやIL17aなどで刺激し、免疫に関与すると考えられる遺伝子やシグナル伝達経路が変化するのか検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、表皮特異的Hes1コンディショナルノックアウト(Hes1cKOepi)マウスを作成し、イミキモドによる乾癬の誘発を行ったところ、当該マウスでは乾癬の特徴的病態の悪化が観察された。さらに、表皮に発現する遺伝子の網羅的解析により、Hes1cKOepiマウスでは表皮ケラチノサイトからの炎症系サイトカイン遺伝子群の発現が増加していることが明らかとなった。 以上の結果は、Hes1が表皮における免疫調節遺伝子発現に関与し、免疫細胞の遊走や活性化を抑制することで過剰な皮膚免疫を抑え、正常な皮膚の恒常性の維持に寄与している可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮膚の最も外側に位置する表皮はバリア機能を有しており、外界のストレスからからだを守る重要な働きをしている。ゆえに、表皮のバリア機能の損傷を伴う創傷や疾患は、命をも脅かす事象である。加えて、皮膚疾患は外見の変化を伴うため、患者のQOLを著しく低下させる。 本研究では、Hes1が表皮ケラチノサイトからの炎症性サイトカインを抑制させることで、免疫疾患である乾癬様症状の悪化を防ぐことを明らかとした。この研究成果は、皮膚免疫疾患の発症メカニズム解明や、皮膚免疫疾患の新たな治療法開発などにつながることが期待される。
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