研究課題/領域番号 |
20K08668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 泰介 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (90293638)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 円形脱毛症 / NKG2D / MICA / NKG2Dリガンド / NKG2D ligand / C3H/HeJ / H60 / 可溶性NKG2Dリガンド / PD-1 |
研究開始時の研究の概要 |
円形脱毛症は細胞性免疫を主体とした組織特異的自己免疫疾患であり、毛包自己抗原を活性化したNKG2D+CD8+T細胞が認識するものと考えられる。円形脱毛症病変部では寛容環境が破綻し、NKG2D ligandの発現が亢進している。一方、血中の可溶性NKG2D ligandを測定することで円形脱毛症の病勢を推定することが可能と考える。本研究では様々な円形脱毛症の病期、病型における血中可溶性NKG2D ligand濃度を測定することでバイオマーカーとして利用可能かどうかを検討する。また円形脱毛症におけるNKG2D、NKG2D ligand発現の制御による新規治療法の開発もめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では様々な円形脱毛症(AA)の病期、病型における血中可溶性NKG2D ligand濃度を測定することでバイオマーカーとして利用可能かどうかを検討した。浸潤するT細胞はNKG2D陽性細胞をみとめ、また病変部では毛包上皮を中心にH60(NKG2Dリガンド)発現を認めた。マウス可溶性NKG2D ligandは、培養CD8陽性T細胞のNKG2D発現を抑制させる傾向であることが判明した。PD-1発現とNKG2D発現はともに相反する発現量である可能性が高い。すなわち可溶性NKG2D ligandは円形脱毛症の病勢を抑制する方向に働く可能性があり、脱毛範囲と反比例する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円形脱毛症の治療は、JAK阻害薬などが上梓されてきているが、いまだにアンメットニーズな領域である。そもそも円形脱毛症の病勢をみるマーカーもまだ不確定である。今回の結果は、可溶性MICAがTリンパ球上のNKG2D発現を抑制するということから、治療選択しとなりえる。また可溶性MICAは、病変部において、毛包上皮細胞に発現しているMICAが、上皮から離れて血中に流れ出ているものであり、病勢との関連性が期待できる。今後、治療薬として成立し得るかを引き続き動物モデルを使用して検討する必要がある。
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