研究課題/領域番号 |
20K08674
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
山本 真有子 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (20423478)
|
研究分担者 |
中島 喜美子 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (20403892)
青木 奈津子 高知大学, 医学部附属病院, 助教 (40457396)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (80273621)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | アトピー性皮膚炎 / 乳児期 / 紫外線暴露 / 乳幼児期 / 紫外線 / 紫外線曝露 / 紫外線反復暴露 |
研究開始時の研究の概要 |
近年紫外線防御が推奨される一方で、アトピー性皮膚炎は増加している。本研究は、乳幼児期の紫外線反復暴露がアトピー性皮膚炎の発症や重症度を抑制するという仮説のもと、生後間もなくから離乳期頃までのマウスに紫外線を反復照射した後、離乳後にアトピー性皮膚炎を誘導し、その発症頻度や重症度に紫外線が与える影響を検討するものである。紫外線による皮膚炎抑制効果が認められれば、その抑制効果を担う細胞の同定を行うことを計画している。逆に紫外線により皮膚炎が増強した場合、その責任細胞の同定を試みたい。
|
研究成果の概要 |
乳幼児期の紫外線暴露がアトピー性皮膚炎発症に与える影響について検討した。ヘアレスマウスに低量UVBを反復照射後にTNCBを反復塗布して誘導したアトピー性皮膚炎モデルを評価した。UVB照射群は非照射群に比し皮膚炎の臨床スコア低下および表皮肥厚の減少を認め、早期(生後3日から3週齢)照射群より後期(3週齢から6週齢)照射群でその傾向が強かった。照射群では皮疹部のIL-4の発現低下を認め、紫外線暴露がその後の皮膚炎発症を抑制する可能性が示唆された。しかし、血清IgEレベルには各群間に差がなく、Th2の誘導が不十分であったため、今後ハプテンを変更して同様の検討を行う必要がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮膚において、紫外線照射は、浸潤T細胞のアポトーシス誘導や炎症性サイトカイン減少、ランゲルハンス細胞や肥満細胞数を減じるなどの免疫細胞への作用に加え、表皮分化関連分子や脂質合成の誘導、抗菌ペプチド産生促進などバリア機能への促進的作用が報告されている。また乳幼児において積算紫外線暴露量がアトピー性皮膚炎罹患率と逆相関するとの報告もある。しかし、in vivoにおける証明は存在しない。今回の実験により生後早期からの低用量紫外線暴露が、その後のアトピー性皮膚炎を軽減する可能性が示唆された。適度な紫外線暴露がアトピー性皮膚炎発症を抑制することが証明されれば患者にとって大きな福音となる。
|