研究課題/領域番号 |
20K08680
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
古宮 栄利子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90647009)
|
研究分担者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
冨永 光俊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50468592)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | かゆみ過敏 / アロネーシス / 神経ペプチド / CD26 / オピオイド / かゆみ / 機械的かゆみ / itch scratch cycle |
研究開始時の研究の概要 |
かゆみを伴う皮膚では、通常では侵襲性のない刺激がかゆみを誘発する「アロネーシス」という現象がおこる。アロネーシスの発現機序として、患部皮膚での神経伸長が報告されてきた。しかし申請者は、CD26欠損マウスが神経伸長の変化を伴わずにアロネーシスを起こすことを発見した。また、同マウスの皮膚にCD26を補充すると、アロネーシスは即座に抑制された。そこで本研究は、アロネーシス発症・調節の新たな分子メカニズムを、CD26欠損マウスを用いて解明することを目的とし、既知の神経伸長とは異なる、CD26依存的発現経路・アロネーシス発現因子の同定と、即効性の高い抗かゆみ過敏治療薬の開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
機械的アロネーシスとは知覚過敏現象のひとつで、通常は侵襲性のない機械刺激をかゆみと感じる現象を指す。研究代表者はこれまでに、CD26欠損マウスの検討から、CD26分子の有するジペプチジルペプチダーゼIV (DPPIV) 酵素活性が機械的アロネーシスを抑制していることを見出し、CD26によって調節を受ける機械的アロネーシス促進因子として、選択的mu-オピオイドリガンドであり、かつDPPIV酵素の基質でもあるエンドモルフィン (EM-1, EM-2) を同定してきた。さらに免疫学的手法を用いて、EM-1・EM-2が皮膚においてケラチノサイト、線維芽細胞および末梢神経細胞で発現していることを明らかにし、EM-1・EM-2が低濃度では機械的アロネーシスのみを、マウス行動学的手法を用いてEM-1・EM-2が高濃度では機械的アロネーシスに加えて化学的かゆみ(自発的かゆみ)をも促進することを明らかにした。さらに、マウス行動学的手法および免疫学的手法を駆使して、末梢におけるEM-1およびEM-2による機械的アロネーシスの伝達神経を特定してきた。 今年度は、EM-1とEM-2が機械的アロネーシスを促進する際の機序を細胞レベルで詳細に解き明かすこととした。具体的には免疫学的手法を駆使して、高濃度条件のEM-1、EM-2が肥満細胞を脱顆粒すること、およびEM-1、EM-2がマウスドライスキンモデルおよびアトピー性皮膚炎のケラチノサイトで上昇傾向にあることを明らかにした。
|