研究課題/領域番号 |
20K08681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中野 直子 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 客員准教授 (90222166)
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研究分担者 |
後飯塚 僚 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (50301552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自己免疫病 / 樹状細胞 / CD4T細胞のアナジー化 / 自己抗体 / 表皮自己抗原 / Tfh / B細胞クラススイッチ / cDC1 / HVEM / 表皮細胞ストレス / アナジー化CD4T細胞 / Tfh細胞 / 表皮抗原 / 皮膚 / 自己抗原特異的リンパ球 / 天疱瘡 / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
樹状細胞は定常状態で自己寛容化の誘導に関わっている。一方、病原体のもつシグナル誘導分子、あるいはダメージを受けた自己の細胞が発現する分子が樹状細胞を活性化すると、免疫応答が誘導される。表皮細胞特異的に抗原を発現誘導したマウスでは、表皮恒常性の破綻により抗原特異的抗体産生が増強することが明らかになった。本研究では表皮に発現誘導した抗原特異的なT細胞、B細胞の応答を、モデルマウスを用いて解析する。また、ダメージを受けた表皮細胞が発現するストレス誘導性分子により、樹状細胞の応答が変化する機構を解明し、樹状細胞の活性化からヘルパーT細胞の活性化、B細胞のクラススイッチに至る一連の過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
既知のモデル抗原をマウスの表皮特異的に発現させ、抗原特異的CD4T細胞とクラススイッチが可能な抗原特異的B細胞を組み合わせて解析した。抗原を発現させたマウスではCD4T細胞の不応答化が認められたが、B細胞の一部はIgG1+細胞へ変化した。表皮にDNA損傷反応を起こすストレスを加えると、皮下リンパ節でcDC1とpDCの増加が認められた。一方、抗原特異的CD4T細胞はCXCR5やPD-1を発現するTfh様細胞へと変化し、IgG1+B細胞の割合が増加し、一部のマウスでは皮膚に炎症が認められた。よって、表皮細胞のストレスにより誘導される因子がDCを活性化させ、自己抗体産生を誘導することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで抗原特異的な自己免疫病の解析モデルは、T細胞あるいはB細胞サイドで解析するものが中心だった。本研究では発現させた自己抗原特異的なT細胞およびB細胞を同時に解析できるマウスを構築し、これらを制御する樹状細胞に注目した点に学術的意義がある。自己免疫疾患の発症は遺伝的要因に加え環境因子が大きく関わっていることから、表皮細胞に与えたストレスが樹状細胞を活性化し自己免疫応答を促進するという結果は、人々を取り巻く種々の物質が病気の発症につながる可能性を示唆しており、社会的な意義があると言える。今後、より具体的な活性化メカニズムを解明し、自己免疫病の制御法に繋げる必要がある。
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