研究課題
基盤研究(C)
マウスイミキモドモデルを用いて、乾癬の寛解皮膚におけるTRMを含む皮膚免疫細胞の免疫組織学的評価を行う。TRMのIL-17、IL-22、 IFN-γなどの産生をフローサイトメトリーで測定する。IL-17産生誘導など、IL-23のソースの検索については、ランゲルハンス細胞、ケラチノサイト、樹状細胞を候補細胞として、フローサイトメトリーや免疫染色で検索する。最後に光線療法などの様々な治療法がTRMに与える影響について免疫染色、フローサイトメトリーなどを用いて検討する。
最近ヒトで、乾癬に特徴的なresident memory T cell (TRM)が治療後の寛解時においてもIL-17A産生能を持ったまま病変部の表皮に残存していることが報告され、皮疹の再燃に関与していると考えられる。今回我々は、乾癬イミキモドモデルマウスの表皮においても同じ特徴を持ったTRM(CD8+CD69+CD103+)の存在を確認した。表皮細胞との共培養により、活性化される傾向も認められた。T細胞の刺激により、サイトカインの産生促進も認められ、乾癬の増悪に関与する可能性も示唆される検討結果であった。
乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患であるが、同じ場所に皮疹が再燃を繰り返すことが分かっており、何らかの皮疹の記憶が皮膚に残っているとされている。乾癬の表皮内に resident memory T cell (TRM)があることがわかり、これが乾癬を治療後も表皮内に残る。我々はこのヒトのTRMと同じ性質をもつ細胞をマウスのイミキモド乾癬モデルマウス皮膚にもあることを同定した。この細胞は表皮細胞との共培養ややT細胞を活性化する刺激によりサイトカイン産生をすることから、乾癬の病態に関連すると考える。
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