研究課題/領域番号 |
20K08697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
長原 礼宗 東京電機大学, 理工学部, 教授 (80385484)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | CD300b / 細胞外セラミド / カスパーゼ14 / 皮膚保湿 / カスパーゼ / 皮膚 / 角化細胞 / CD300 / セラミド / 細胞外脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、細胞外に存在するセラミドなどの脂質は細胞間脂質として皮膚のバリア機能維持のみに関与し、細胞内に影響を与えることはあまり考えられてこなかった。しかし、近年になり、細胞外脂質は細胞膜上受容体に結合できることが報告され、細胞外脂質による細胞シグナル伝達機構の存在が示唆されるようになった。 そこで、本研究は、細胞外に存在するセラミドによる細胞膜上の受容体を介した保湿機構の特定を行う。これにより、新規な皮膚保湿機構の解明や、細胞膜受容体への刺激に適した細胞外セラミド構造の特定に伴う、新規保湿剤の開発など幅広い応用が期待される。
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研究成果の概要 |
本申請課題では、細胞外セラミドによる新規な皮膚細胞でのシグナル伝達機構を明らかにした。まず、細胞外に分泌されて存在するC22セラミドは、細胞外セラミド受容体の1つ、CD300bの発現を上昇させることを示した。また、C22セラミドはCD300bを介して細胞内のリン酸化酵素である、SykとAktを活性化させた。C22セラミドのような細胞外セラミドは、CD300bを介し、細胞内シグナル伝達の結果、皮膚保湿に関与していることを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、細胞外セラミドが皮膚においてこれまで知られていない、受容体を介して細胞内に作用するしくみを解明した点に学術的意義が存在する。今後、CD300bを介した経路の解明により、皮膚細胞の細胞内シグナル伝達機構が保湿に及ぼす影響の解明が進むと考えられる。 また、一般的に長鎖セラミドは短鎖セラミドとは違い、低毒性であるので、長鎖セラミドによりカスパーゼ14を発現上昇させることができれば、化粧品としての利用を始め、皮膚保湿機構の破綻によって生じるアトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患の治療剤へと応用展開できる。これが本研究成果の社会的な意義である。
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