研究課題/領域番号 |
20K08698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
佐伯 秀久 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80235093)
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研究分担者 |
長田 真一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00244484)
平谷 伊智朗 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40583753)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 有棘細胞がん / 腫瘍内不均一性 / 微小環境 / RNA-Seq / シグナル伝達 / 3次元構造 / シングルセル解析 / 上皮間葉転換 / 有棘細胞癌 / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
有棘細胞がんの培養細胞(2次元)を、マウスの皮下に注射(すなわち微小環境を提供)すると、3次元のがん組織ができる。がん細胞が2次元から3次元に転換する時に、どのような遺伝子の発現の変化が起こるのかを、最高レベルの遺伝子検出能力をもつ手法を用いて、単一細胞レベルで解析する。そして、検出した遺伝子が、有棘細胞がんの腫瘍内不均一性の獲得、治療抵抗性、再発・転移にどのような役割をしているのかを調べる。
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研究成果の概要 |
皮膚有棘細胞がん(cSCC)の腫瘍内不均一性の発生メカニズムを調べる目的で、私たちは培養cSCC細胞(2次元)を同種同系のマウスに皮下注射してcSCC組織(3次元)を形成させ、がん微小環境を再現する実験系を確立した。私たちは次に、培養cSCC細胞とcSCC組織で発現している遺伝子を、RNA-Seq法で網羅的に解析して比較した。その結果cSCC組織で有意に発現量が増減していた遺伝子1488個のパスウェイ解析を行ったところ、炎症促進、細胞免疫応答、細胞接着に関与するシグナル経路が、非常に活性化されていることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2次元の培養細胞を用いたがん研究は、シグナル伝達経路の解明をはじめ、がん研究を大きく発展させてきたが、3次元組織でのがん細胞の振る舞いを必ずしも反映しているとは言えなかった。本研究は、この2次元と3次元のギャップを埋め、がん微小環境が生じるメカニズムの解明を目指した研究で、3次元のがん組織で活性化している複数のシグナル経路を見出した。本研究の成果は、がんの腫瘍内不均一性の解明と、高齢者に増加している有棘細胞がんの新たな治療法の開発につながることが期待される。
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