研究課題/領域番号 |
20K08701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
辛島 正志 久留米大学, 医学部, 非常勤講師 (70211175)
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研究分担者 |
石井 文人 久留米大学, 医学部, 准教授 (80330827)
武藤 一考 久留米大学, 医学部, 助教 (70624097)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | mesenchymal stem cell / epidermal keratinocyte / mesenchymal stem cel |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞(MSCs; mesenchymal stem cells)は成体内から採取できる幹細胞として再生医療に利用されている。MSCsは中胚葉や他の胚葉にも分化できる「多能性」を備えている。 MSCsとは別に、体細胞に初期化遺伝子(山中因子等)を遺伝子導入し幹細胞へ変換させる技術も開発された(iPS細胞)。 申請者は、世界にさきがけて正常皮膚角化細胞より遺伝子導入をすることなく、3胚葉系列への分化能を保持した細胞の分離・培養方法を樹立した。この正常皮膚角化由来の幹細胞について細胞生物学的な基礎研究をおこない、表皮由来の新規の万能性幹細胞の存在が明らかにされうるものと期待される。
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研究実績の概要 |
申請者は、世界に先駆けて正常皮膚角化細胞より遺伝子導入をすることなく、3胚葉系列への分化能を保持した細胞の分離・培養方法を樹立した。本研究は、この新規細胞系列がES細胞やiPS細胞のように初期化された多分化能を有する細胞であるのか否かを検証することが目的である。また、各細胞系列への分化誘導がES細胞やiPS細胞と類似の経路で起こっているのかを遺伝子発現の検討によって検証することが目的である。一昨年度までに新規細胞系列を不死化する事に成功した。この不死化細胞は核型の異数化が認められるものの、培養形態上、元細胞系列ときわめて類似を示した。当該年度中において新規細胞系列に加えてこの不死化細胞を用いて発現している遺伝子のDNAマイクロアレイを用いた網羅的な検討:MSCsおよびiPS細胞との比較検討を行った。 その結果、新規細胞系列と不死化細胞は極めて類似した遺伝子発現パターンを持ち、かつMHC遺伝子の一部を欠く等その他のMSCsにきわめて類似した遺伝子発現パターンの特徴を有する事が示唆された。 これら前年度のDNAマイクロアレイ検索結果に基づいた遺伝子発現パターンの解析と各種増殖因子依存性および各種増殖因子による分化能誘導性についての細胞生物学的検討に着手した。さらに昨年度には本細胞系列に対して特異的な分化誘導性を持つ事が示唆された特定の増殖因子を数種類の候補を同定した。これらの増殖因子によって活性化される遺伝子についてDNAマイクロアレイなどによる網羅的な検索をおこないMSCsおよびiPS細胞との比較検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による影響により、実験時間と規模の縮小をせざるを得ない状況が続いていたため遅延が生じていたが、現在は徐々に解消されつつある。しかし、昨年末からウクライナ情勢のため、外国産の増殖因子等の細胞培養関連の試薬の入手困難や遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19による影響により、実験時間と規模の縮小をせざるを得ない状況が続いていたが、徐々に状況は改善しつつある。今年次の研究に必要な基礎予備実験とサンプル調整は順調に進展していたが、ここにきてウクライナ情勢の影響で特に増殖因子の入手が極めて困難になってきたことが懸念されたため、代替品を検討・模索している。
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