研究課題/領域番号 |
20K08704
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
東梅 友美 山形大学, 医学部, 講師 (40802111)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 移植片対宿主病 / ステロイド不応移植片対宿主病 / NLRP6 / アロ免疫 / T細胞活性化シグナリング / 同種造血細胞移植 / 同種造血幹細胞移植 / ステロイド抵抗性 / メタボライト / T細胞 / インフラマゾーム |
研究開始時の研究の概要 |
同種造血幹細胞移植は造血器腫瘍に対する根治療法であるが、重篤な合併症の一つに移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)があり、特に第一選択薬の副腎皮質ステロイドホルモン(ステロイド)に抵抗性を有する、ステロイド不応・抵抗性GVHD (steroid refractory/resistant GVHD: SR-GVHD)の予後は極めて不良である。本研究では、炎症反応に重要な役割を示すインフラマゾームの一種、NOD-like receptor family pyrin domain containing 6 (NLRP6)のステロイド抵抗性に与える影響をマウス骨髄移植モデルを用いて検討し、SR-GVHDの発症機序を明らかにし、標準療法確立の礎とすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
腸内細菌由来メタボライト解析をマウスモデルで行い、コリンやトリプトファン代謝関連メタボライトの変動を認めた。ドナーT細胞活性化メカニズムではNLRP6に焦点をあて、NLRP6欠損(NLRP6-/-)T細胞を用いマウス骨髄移植モデルにて検討した結果、NLRP-/-T細胞を輸注すると急性GVHDが増悪し、ドナーT細胞の増殖や活性化、炎症性サイトカイン産生増加が認められた。T細胞活性化機構は種々の免疫学的解析にて行い、NLRP6-/-T細胞では刺激後DNA合成及び細胞分裂が増加し、T細胞活性化経路においてNLRP6はZAP-70の上流に存在しZAP-70/Erk経路を特異的に制御することを発見した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から、同種移植後には特定の腸内細菌メタボライトが著しく変動することで、標的臓器における組織修復及び恒常性の維持機構に変化をもたらしている可能性が示唆された。一方、活性化T細胞におけるNLRP6-ZAP70-Erk免疫抑制機構は、新たな免疫チェックポイントとなる可能性があることから、今後のSR-GVHD発症メカニズムの鍵となる可能性が示唆された。
|