研究課題/領域番号 |
20K08705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高山 直也 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (10584229)
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研究分担者 |
大島 基彦 東京大学, 医科学研究所, 助教 (70506287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / エピゲノム / クロマチン / 静止期制御 / ヒト造血幹細胞 / CTCF / 静止期 / クロマチンループ / HiC / オープンクロマチン解析 |
研究開始時の研究の概要 |
CTCFは、Cohesin因子と協調して、ゲノムの3次元ループ構造を構築して、ゲノムワイドに遺伝子発現の制御に関わっている。近年、CTCFの変異やCTCF結合部位の異常が各種腫瘍性疾患の発症に関与することが報告されている。一方、CTCFの正常造血系での役割は明らかになっていない。申請者はこれまでの研究から、ヒト造血幹細胞の静止期からの離脱、分化の開始には、CTCFによる幹細胞因子制御が必須であることを同定した。CTCFノックダウンの解析から、CTCFの標的として複数の因子の関連が示唆された。本研究では、CTCFの標的因子Xを中心として、ヒト造血幹細胞における自己複製機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
長期造血幹細胞と自己複製能を消失した直後の短期造血幹細胞の差の検証は、自己複製能のメカニズム解明に重要である。本研究では、以下の点を明らかにした。①HiC/ATAC/RNAシークエンス法による解析から、ヒト造血幹細胞の静止期から活動期への移行に伴いCTCFが結合するクロマチンループ、及び内包される遺伝子群を同定した。②これらは転写抑制に働くクロマチンループであり、細胞周期、代謝、インターフェロンシグナルなどに関連する遺伝子が内包されていた。③これらの遺伝子群に着目して、IFN非依存的に維持されるインターフェロンシグナルにより、幹細胞性を維持している可能性を示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高い自己複製能を持つ造血幹細胞は、造血幹細胞移植など再生医療へ広く応用可能であるが、深刻なドナー不足は解決の目処がたっていない。その解決策として、HSC固有の能力である自己複製機構を正しく理解し、自己複製能を維持したまま増幅できる培養系の確立が必要である。 本研究では、ヒト造血幹細胞の自己複製能に直結する静止期離脱機構にCTCFを介したゲノムの3次元構造の変化が必須であること、さらにCTCFによる静止期離脱、増幅開始にインターフェロンシグナルが重要であることを明らかにした。
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