研究課題/領域番号 |
20K08710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐野 秀人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80623842)
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研究分担者 |
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 特命研究教授 (50193967)
鈴木 優子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20345812)
田中 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50456563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 線溶反応 / iPS細胞 / 血管内皮細胞 / 血小板 / 細胞動態機能 / 疾患特異的iPS細胞 / 凝固線溶系 / 遺伝子編集 / 血管新生 / 線維素溶解 / 凝固 / 内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
「血栓症」は、国民病の一つに挙げられ、原因である血液の凝固・線維素溶解(線溶)についてのさらなる理解は喫緊の課題である。線溶反応の主要な調節因子であるPAI-1は、炎症や悪性腫瘍、生活習慣病において重要な指標でもある。 PAI-1欠損患者では、重篤な出血と創傷治癒の遅延が認められている。申請者らはPAI-1欠損患者由来iPS細胞(PAI-1iPS)を樹立し血管内皮細胞へ分化させ、未熟な血管新生が創傷治癒遅延の原因である可能性を示唆した。一方で出血への関与についての詳細は不明である。本研究では、新たにPAI-1iPS由来血小板を樹立し、出血の原因・機構を探る。
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研究成果の概要 |
PAI-1欠損患者由来iPS細胞から血管内皮細胞及び血小板分化を行った。分化段階について、血管系細胞分化は種々試行し、ストローマ細胞OP9細胞上での共培養法が最も効率が良いことを確認した。PAI-1欠損iPS細胞由来内皮細胞は、血管発芽解析により短い発芽数の増加が認められたが血管伸長が抑制された。血小板分化については継続解析中である。 一方で、ヒト血管内皮細胞株のゲノム編集にてPAI-1欠損内皮細胞を樹立したところ、細胞動態変化及び管腔形成アッセイにおいて血管新生への影響を示唆した。さらなるPAI-1役割解明のため、複数のPAI-1欠損患者由来iPS細胞の樹立が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果として、これまでに関与が示唆されていた線溶系の血管新生への影響について、さらに踏み込んだ解析を行った。近年血管新生は、血管内皮細胞の多様性により開始・伸長・安定化の3ステップにより成立することが判明してきた。本研究の結果、PAI-1欠損内皮細胞では血管新生開始を促進するが、伸長が抑制される新たなメカニズムが示唆された。以上より、線溶系の時空間的調節により血管新生の制御の可能性が広がり、創傷治癒、腫瘍、末梢血管障害等の疾患への応用へ繋がると考えられる。
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