研究課題/領域番号 |
20K08714
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
大畑 雅典 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (50263976)
|
研究分担者 |
樋口 智紀 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 講師 (00448771)
橋田 裕美子 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (00767999)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | リンパ腫 / ウイルス / ケモカイン / 慢性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症関連リンパ腫はEpstein-Barr(EB)ウイルス感染を伴うことが多く、その感染と長期的な慢性炎症がリンパ腫の発症に密接に関連する。このタイプのリンパ腫は明確な免疫不全状態にない患者においても発症することが特徴である。ケモカイン・ケモカイン受容体の網羅的発現解析やケモカイン系の腫瘍免疫回避への役割解析を行うことで、このタイプのリンパ腫に特徴的な腫瘍微小環境でのケモカインネットワークの分子基盤と免疫抑制機構を把握し、腫瘍進展メカニズムの解明に資する研究を推進する。これにより、新たな治療標的分子を同定することができ、腫瘍免疫抑制機構を破綻させることを狙った新規治療コンセプトの確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
慢性炎症に伴うびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL-CI)の多くはEBウイルス感染を伴い、長期的な慢性炎症が腫瘍の発生と密接に関連する。DLBCL-CIの代表として膿胸関連リンパ腫(PAL)がある。本研究により、PAL細胞がケモカインCXCL9とCXCL10を分泌し、これらケモカインの受容体であるCXCR3を発現するCD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞およびCD56陽性NK細胞を引き寄せることがin vitroおよびマウスにおけるin vivo実験で明らかとなった。PAL病理組織においても、PAL細胞はCXCL9、CXCL10を発現し、CXCR3発現リンパ球の浸潤が確認できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は、PAL細胞がケモカインCXCL9とCXCL10を分泌することによりCXCR3を発現する腫瘍傷害性リンパ球を腫瘍部位に引き寄せることを示している。誘引された腫瘍傷害性リンパ球によってリンパ腫細胞を排除あるいはその進展を抑制できる可能性があり、このことを活用することにより慢性炎症に伴うびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の新規治療法につながることが期待される。
|