研究課題/領域番号 |
20K08735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2022) 宮崎大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
齋藤 祐介 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (20585674)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 白血病 / 解糖系 / マンノース / AML / がん代謝 / 急性白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
白血病細胞は骨髄で増殖する過程でグルコース消費が亢進し低栄養状態に陥るため、解糖系からエネルギーを産生するためにはグルコース以外の基質を利用する必要があるもののその機序は明らかになっていない。申請者は白血病細胞がマンノースを解糖系エネルギーの基質として利用することを見出した。本研究では、1) 白血病細胞のグルコース飢餓時におけるマンノース代謝のエネルギー供給機構と正常造血におけるマンノース代謝の意義を明らかにする。さらに、白血病の治療標的としてのマンノース代謝阻害療法を開発する。これら一連の研究から白血病細胞のグルコース飢餓時における新たな生存戦略を解明し、白血病の新規治療開発に寄与する
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研究成果の概要 |
AML細胞の解糖系亢進は抗がん剤抵抗性に寄与するため、解糖系阻害はAMLの重要な治療戦略である。AML細胞がグルコース飢餓時に利用する糖質としてマンノースを同定した。マンノースはマンノース-6-リン酸イソメラーゼ(PMI)により解糖系からTCA回路に動員されATPを産生した。その一方でPMI発現を抑制した白血病細胞では過剰な中間代謝産物が蓄積し、解糖系代謝や酸化的リン酸化を阻害しATPは枯渇した。さらに、PMI発現抑制株にマンノース食を与えた群では白血病発症は抑制された。PMI処理能を越えたマンノース負荷は白血病細胞のエネルギーを枯渇させることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は白血病細胞が糖質飢餓状態において代替糖質を利用することで生存することを証明した。これまで解糖系を標的とした治療薬は臨床応用には至っておらず、PMI阻害剤の開発やマンノースの過剰投与が白血病細胞のエネルギーを枯渇させる新規治療として期待される。
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