研究課題/領域番号 |
20K08739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
楠本 茂 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (90423855)
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研究分担者 |
田中 靖人 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90336694)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高感度HBコア関連抗原 / HBV再活性化 / 核酸アナログ中止基準 / 高感度HBs抗原検査 / 高感度HBコア関連抗原検査 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)既往感染歴を有する、造血器腫瘍患者において、がん化学療法に関連するHBV再活性化後の先制ウイルス治療開始後の核酸アナログの適切な中止規準に関するエビデンスは限られている。 HBV複製基点となる、肝臓内のcovalently closed circular DNA (cccDNA)の血清サロゲートマーカーである、HBs抗原およびHBコア関連抗原の高感度系キットを用いて、HBV再活性化後の核酸アナログ中止規準の確立に資する基礎的検討を行う。エビデンスに基づく、HBV再活性化後の核酸アナログの適切な投与期間が設定できれば、医療経済への負担軽減につながることが期待できる。
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研究実績の概要 |
HBV既往感染歴を有する造血器腫瘍治療後のHBV再活性化に対し、定期的なHBV DNAモニタリングに基づく核酸アナログ先制治療により関連する肝障害予防は可能になったが、核酸アナログの中止規準は確立されていない。我々は、名古屋市立大学病院にて2008年から2020年までに、HBV既往感染歴を有する造血器腫瘍患者27例のHBV再活性化後の保存血清を用いて、高感度HBコア関連抗原(iTACT-HBcrAg)を測定し、その有用性をレトロスペクティブに検討し、iTACT-HBcrAgは早期のHBV再活性化診断に役立つとともに、核酸アナログを安全に中止するためのサロゲートマーカーとなりうることを報告してきた(Hagiwara S, et al. Hepatol Res. 2022 Sep;52(9):745-753.)。さらに、名古屋市立大学関連病院4施設と多機関合同のレトロスペクティブ研究を実施し、2008年から2020年までにHBV再活性化と診断した44例について、iTACT-HBcrAgの意義を検討した。その結果、先行研究(名古屋市立大学単施設)と同様にiTACT-HBcrAgの有用性が検証された(Suzuki T, et al. J Gastroenterol. 2022 Jul;57(7):486-494.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
名古屋市立大学病院において、前向き観察研究に参加された患者様の保存検体を用いて、新しいHBV血清マーカーを測定し、高感度HBコア関連抗原の臨床的意義を検証できた(Hagiwara S, et al. Hepatol Res. 2022 Sep;52(9):745-753.)。また、名古屋市立大学病院関連施設を含めた多機関共同レトロスペクティブ研究においても同様な検討ができた(Suzuki T, et al. J Gastroenterol. 2022 Jul;57(7):486-494.)。
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今後の研究の推進方策 |
造血器腫瘍および固形腫瘍に対するがん化学療法実施例を対象とし、高感度系の血清マーカーを組み合わせて、HBV再活性化後の核酸アナログ中止規準の確立を目指す。
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