研究課題/領域番号 |
20K08740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 教授 (00199431)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / ハイリスク染色体異常 / 分子標的療法 / エピジェネティクス / 創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫全体の10~15%を占めるt(4;14)陽性例においてはヒストンメチル化酵素MMSETが強発現し、転写プログラムを改変して抗癌剤抵抗性を誘導している。本課題においてはMMSET阻害剤を開発し、t(4;14)骨髄腫の治療成績を改善することを最終目標とする。低分子化合物ライブラリーからALPHAスクリーニングによってMMSET阻害剤の候補を同定し、t(4;14)陽性骨髄腫細胞に対する特異的効果を細胞株およびマウス骨髄腫モデルによって確認する。リード化合物から最適誘導体を導出し、直接作用と他の抗骨髄腫薬増強効果を確認し、特許取得と前臨床POC確立までを行う。
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研究成果の概要 |
MMSET活性ドメイン・精製ヌクレオソーム・抗ヒストンH3-K36me2抗体を用いたALPHAによって理化学研究所の低分子化合物ライブラリーをスクリーニングし、さらにMMSET陽性骨髄腫細胞株に対する選択性・H3-K36メチル化抑制・MMSET標的遺伝子の発現抑制からRK-0080552をMMSET阻害剤の候補化合物として同定した。マウス骨髄腫モデルにおいて、RK-0080552は骨髄腫細胞の増殖を抑制し、マウスの生存期間を対象群に比べて有意に延長した。治療群から採取した腫瘍組織においてH3K36メチル化とIRF4発現の抑制が認められ、抗腫瘍作用はMMSET阻害によると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MMSETを強発現する多発性骨髄腫は治療抵抗性で、治療成績の改善にはMMSETを特異的標的とする新薬の開発が必須と考えられる。しかしながらMMSETを特異的に阻害する薬剤については、現在のところ基礎研究レベルでもほとんど報告がなく、本研究は非常に高いプライオリティと臨床的意義を有する。今後、安全性試験と薬物動態試験を実施して前臨床POCを取得し、GMP基準での化合物の製造に関する具体的方針を固め、製薬企業とタイ・アップして臨床治験へ展開することが可能なレベルにスキップ・アップしたい。
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